2010 Fiscal Year Annual Research Report
イネ生殖過程におけるゲノム障壁遺伝子の単離と機能解析
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
18075009
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
倉田 のり 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (90178088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 貴彦 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助教 (00370148)
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Keywords | ゲノム障壁 / イネ / 生殖的隔離 |
Research Abstract |
本研究課題では、イネ亜種間(ジャポニカ,インディカ間)交雑後代に見られる生殖的隔離障壁の単離と機能解析を進めている。生殖的隔離は遺伝子間の相互作用によって引き起こされるため、相互作用遺伝子を一対として単離し、どのステージで「ゲノム障壁」として働くのか、通常の生殖過程ではどのような機能を持つのかなどの解明を行う。 今年度の成果は、 1.RNAサイレンシングに関わるPAZ-domainタンパクPOC遺伝子の相互作用因子であるPOIについて、His-kinaseタンパクをコードする遺伝子を候補遺伝子として特定し、相補性検定を進めた。 2.重複遺伝子DPL1(染色体1)とDPL2(染色体6)の機能欠失が、花粉の機能障害を引き起こす生殖隔離遺伝子として働くことを明らかにした。両遺伝子は、単子葉・双子葉植物で高度に保存され、代表的なモデル植物種においても重複して存在することを見出した。イネでの遺伝子重複時期と機能欠損の発生時期などの遺伝子進化の過程を特定し、これら一連の成果は論文で発表した。 3.亜種間交雑にみられる雌性配偶子致死の分子機構の解明を進めた。染色体8、9と12に座乗し相互作用する3つの原因遺伝子のポジショナルクローニングを行い候補遺伝子を特定した。これらの候補遺伝子が座乗するゲノム領域には共通する特徴がみられ、3つのうち2つの候補遺伝子のプロダクトについてはタンパク間相互作用を示す可能性が示唆された。 4.日本晴とKinandang puti間で見出された第1染色体末端で大きな分離歪みを引き起す生殖隔離遺伝子について、関与領域を83kbに特定し、この領域内に大きなゲノム変異があることを明らかにした。
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Research Products
(25 results)