2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Genome Barriers in Plant Reproduction |
Project/Area Number |
18075010
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
木下 哲 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 准教授 (60342630)
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Keywords | ゲノムインプリンティング / DNA脱メチル化 / エピジェネティクス / シロイヌナズナ / 胚乳 / DNAメチル化 |
Research Abstract |
今年度までに、シロイヌナズナFWA遺伝子のインプリントされた発現をモニターできるFWA-GFP形質転換体を変異源処理し、そのM1世代よりFWA-GFPの発現が正しく制御されない変異体を複数得ている。これらの変異体の原因遺伝子は、雌性配偶体中央細胞におけるゲノムインプリンティングの確立過程に機能していると考えられる。本年度は、このうちの二つのアレルalac1-1,alac1-2(alarm clock for FWA imprinting)の変異部位を連鎖解析により同定した。変異はヒトから酵母まで広く保存されたクロマチン関連蛋白質に見つかっており、現在野生型ゲノム断片の相補試験による検証を行っている。 また、原因遺伝子の機能を明らかにするために様々な解析を行っている。alac1-1変異体胚珠のRNAを用いたRT-PCRの結果、同変異体はFWAだけでなく他のインプリント遺伝子の発現にも影響することが判明した。一方、インプリントを受けない遺伝子の発現は正常であることから、同遺伝子はゲノムインプリントティングの制御に関わっていることが強く示唆される。また、alac1-1変異体では、受精がおこっていないにも関わらず中央細胞核が分裂する表現型が見つかった。このような、受精に依存しない自立的な胚乳発生はMEDEA,FIS2等のインプリント遺伝子の変異体でも見られる。従って、この結果からもalac1-1はインプリント遺伝子の制御に関与していることを示唆している。さらに、FWA遺伝子の5'領域のタンデムリピート中のDNAメチル化レベルを検証した結果、野生型の胚乳では低メチル化されるのに対して、alac1-1変異体では低メタル化されないことが判明した。以上のことより、ALCA1遺伝子はDNAの脱メタル化を介したインプリント遺伝子のエピジェネティックな制御に関与していることが示唆された。
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Research Products
(5 results)