2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
18076002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪井 康能 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (60202082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00283648)
奥 公秀 京都大学, 農学研究科, 助教 (10511230)
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Keywords | オートファジー / ペルオキシソーム / 液胞 / タンパク質分解 / 酵母 / 植物病原性 |
Research Abstract |
(1)メタノール資化性酵母Pichia pastorisがグルコース培地からメタノール培地に移された際に誘導するオートファジーの分子機構を詳細に解析した。その結果、本オートファジーにおいて液胞へ輸送されるタンパク質としてアミノペプチダーゼ1前駆体(prApe1)とアルデヒドデヒドロゲナーゼ6(Ald6)を同定した。prApe1の輸送はAtg11に、Ald6の輸送はAtg17に依存することを見出した。興味深いことに、Ald6の液胞輸送に異常を示す変異株ではメタノール培地に移された後の生育停止期間(lag phase)が野生株よりも顕著に延長されていたことから、オートファジーの新たな生理機能としてlag phaseの短縮を見出した。(2)今年度までの本特定研究によりペルオキシソーム特異的分解の分子機構が明らかにされつつあるが、その(高次)生理機能については不明であった。今年度の研究の結果、植物病原性真菌Colletotrichum orbiculareにおいてペルオキシソーム分解が本菌の植物感染に必須の過程であることがわかり、その過程の鍵因子としてAtg26が同定された。この結果はペルオキシソーム特異的会解の高次生理機能を明らかにした点で特筆すべきものである。(3)Gcn因子を介したシグナル伝達のオートファジーにおける機能を明らかにするため、Pichia pastorisのgcn2変異株の解析を行った結果、本変異株では培地中のアミノ酸量が少ない場合にオートファジーの遅延が見られることが分かった。(4)液胞形態制御因子としてAtg8、フォスファチジルイノシトールー3-リン酸化酵素複合体(PI3K)を見出し、特にPI3Kが脂肪滴の分解に関与するという結果を得た。これら液胞形態制御因子の分子機能については現在、詳細に解析している。
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