2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
18076002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪井 康能 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (60202082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00283648)
奥 公秀 京都大学, 農学研究科, 助教 (10511230)
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Keywords | オートファジー / ペルオキシソーム / 液胞 / タンパク質分解 / 酵母 |
Research Abstract |
1. メタノール資化性酵母におけるペルオキシソーム誘導時(メタノールを炭素源とした培養への転換時)には代謝経路の変換のため細胞内体制の再編成が必要である。合成培地による培養時には、このペルオキシソーム誘導時に一時的に生育の遅延(lag phase)が観察されるが、この時にオートファジーが誘導されること、またそれが細胞の速やかな生育再開に必要であることを、私たちは前年度までの本研究課題において見出していた。今回私たちは、このオートファジーがペルオキシソーム主要酵素のひとつアルコ-ルオキシダーゼの速やかな生産に必要であることを見出し、「オルガネラ形成に寄与するオートファジー」という生理学的意義を持つ経路の存在を明らかにした。興味深いことに、本酵母のペルオキシソーム特異的分解(ペキソファジー)に関して重要な機能を持つことを私たちが見出していたタンパク質、Atg26が、このlag phaseに誘導されるオートファジーにおいても機能することが分かった。 2. ペキソファジーをはじめとする選択的オートファジー経路において、オートファジー関連(Atg)タンパク質の集積の核となるのは、Atg11と呼ばれるタンパク質である。今年度私たちは、ペルオキシソーム上に局在しその特異的分解の一端を担うとされるタンパク質Atg30とAtg11との相互作用に機能するAtg11分子内領域を見出した。その結果は出芽酵母S. cerevisiaeの選択的オートファジー経路におけるAtg11の分子内機能と高い相関性を持っていた。 3. メタノール資化性酵母のタンパク質生産、および酸化ストレス応答に関して、カタラーゼ生産およびYap1の作用機序解明に成功した。さらに本酵母を用いたオートファジーのモデル基質アルファマンノシダーゼの生産、結晶化を通した構造解析に成功した。
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Research Products
(12 results)