2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
18076002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪井 康能 京都大学, 農学研究科, 教授 (60202082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 准教授 (00283648)
奥 公秀 京都大学, 農学研究科, 助教 (10511230)
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Keywords | オートファジー / ペルオキシソーム / 液胞 / 脂肪滴 / タンパク質分解 / 酵母 |
Research Abstract |
1)メタノール資化性酵母Pichia pastorisの増殖誘導期(lag phase)に見られるオートファジーに関して、フォスホイノシチドのひとつPI4Pを産生する酵素Pik1が重要な機能を持つこと、またその酵素の局在をAtgタンパク質が規定することを見出した。これらの結果は、Atgタンパク質群および脂質(PI4P)からなる複合体の形成がlag phaseのオートファジーに機能することを示している。 2)P.pastorisのペルオキシソーム特異的分解(ペキソファジー)に機能する鍵分子Atg11の解析を引き続き行った。前年度までに、ペルオキシソーム認識に機能する因子との相互作用に必要な本分子内の構造領域を見出していたが、本年度は新たに本分子の液胞膜局在および他のAtgタンパク質との共局在に必要な構造領域を見出した。この結果は、本酵母のAtg11が出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)Atg11と共通の構造-機能相関を持つ一方で、Pichia酵母固有の機能領域を持つことを示す。 3)出芽酵母の脂肪滴に特異的に局在するタンパク質を利用し、そのオルガネラ分解を生化学的にモニターする実験系を構築した。また、出芽酵母の脂肪滴に蓄積する脂質トリアシルグリセロールを酵素法により定量し、脂肪滴分解の変異株においてトリアシルグリセロールの蓄積が見られることを見出した。 4)P.pastorisのAtg8がメタノール培養時に液胞膜融合に機能することを見出していたが、その機能が本分子の脂質化(PE化)によらないこと、半融合活性と相関することを見出した。また、本酵母のカルボキシ末端の切断がメタノール培養時に液胞膜融合活性に必要であることも分かった。今回見出されたAtg8の活性はメタノール培養時のみならず、浸透圧変化時の液胞形態調節、液胞の娘細胞への受け渡しにも機能することを見出し、その生理学的重要性を明らかにした。
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Research Products
(6 results)