2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
18076004
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岩井 一宏 Osaka City University, 大学院・医学研究科, 教授 (60252459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 裕之 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (70291151)
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Keywords | 蛋白質 / ストレス / 癌 / 生体分子 / ユビキチン |
Research Abstract |
ユビキチン修飾系は,E1/E2/E3(ユビキチンリガーゼ)の3種の酵素群の働きで,E3が識別する標的タンパク質にユビキチンを結合させてタンパク質の機能を制御する翻訳後修飾系であり,数多くの生命現象を制御していることが知られている。しかしながら,E3の活性および機能制御メカニズムに関しては未解決な問題点が数多い。そこで,昨年度に引き続き,我々が樹立した精製タンパク質を用いたガン抑制遺伝子産物pVHLを含んだCullin型の多サブユニットRING-E3(CRL)である,VBC-Cul2による低酸素応答性転写因子HIF-2αのユビキチン化反応のin vitro完全再構成系を用いて,COP9/シグナロソーム(CSN)のCRLの活性亢進メカニズムを解析した。 CSNはCRLの活性化を促進するCullinのNedd8修飾を切断する,脱Nedd8化活性を有するため活性化機構の詳細は不明であった。まず,CSNはユビキチン化された基質のE3からの解離を促進することで,CRLを活性化させることを示した。本年度はその分子メカニズムの解析を中心に研究を進めた。そして,CSNが基質に結合したポリユビキチン鎖とNedd8の両者を識別してCRLと結合したあと,ユビキチン化基質をVBCとともにCRLから解離させ,その後cullin-Nedd8結合を切断してCRLの活性増強から遊離すること,その結果としてユビキチン化されていない基質を結合しているVBCとCul2との結合を促進してCRLがユビキチン化する基質の分子数を増大させることでCRLを活性化させる可能性を示唆する所見を得た。 また,研究者らが新規に同定した直鎖状ポリユビキチン鎖を形成するE3であるLUBAC複合体の解析も進.め,同E3複合体がTNF-αによるNF-kBの活性化に関与するとの知見も得ている。
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