2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
18076004
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岩井 一宏 Osaka University, 生命機能研究科, 教授 (60252459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川原 裕之 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 教授 (70291151)
徳永 文稔 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00212069)
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Keywords | タンパク質 / ストレス / 癌 / ユビキチン / 生体分子 |
Research Abstract |
ユビキチン修飾系は、時空間的な特異性を持って基質タンパク質を識別して次々ユビキチンを付加することでポリユビキチン鎖を形成し、タンパク質の機能を制御する。生体には種々のポリユビキチン鎖が存在し、ポリユビキチン鎖の種類によりタンパク質の制御様式が異なることが明らかになっているが、ポリユビキチン鎖生成機構は明確ではない。そこで本研究では、研究者らが新規に同定した直鎖状ポリユビキチン鎖を形成するE3であるLUBAC複合体をモデル系に、ポリユビキチン鎖の生成機構の解析を進めている。これまで、LUBACはポリユビキチン鎖の遠位端のユビキチンを識別して、そのユビキチンのN末端に別のユビキチンを結合させることで直鎖状ポリユビキチン鎖を選択的に生成することを示してきた。本年はLUBACのユビキチン結合領域のユビキチン識別機構の解析を進め、LUBACはユビキチンの2番目のアスパラギン、16番目のグルタミン酸を含む部分を認識してユビキチンと結合して、直鎖状ポリユビキチン鎖を生成することを明らかにした。 また、ポリユビキチン化されたタンパク質のプロテアソームへの輸送機構についても解析を進め、BAG6と呼ばれる分子がユビキチン化タンパク質のプロテアソームへの輸送に関与することを明らかにした。さらに、BAG6は新たに合成されたタンパク質を選択的にプロテアソームへ輸送することが強く示唆された。新規に合成されるタンパク質の中で、合成中に誤ったアミノ酸が組み込まれたり、適切にフォールディングされないタンパク質は分解されるが、そのプロテアソームへの輸送機構は未解明である。これらタンパク質由来のペプチドはDRiPsと呼ばれ、ウイルス抗原の提示に関与すると言われているので、DRiPs生成へのBAG6の関与に関して解析を進める予定である。
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