2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
18076005
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
水島 昇 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10353434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 以誠 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (30296868)
小松 雅明 順天堂大学, 医学部, 講師 (90356254)
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Keywords | オートファジー / ユビキチン / タンパク質品質管理 / タンパク質凝集体 / インスリン / 飢餓 / GCN2 |
Research Abstract |
本課題では、非常にダイナミックなオートファジーの生体内での意義と、その活性制御機構、特異性制御機構を明らかにすることを目的としている。 オートファジーは従来、栄養飢餓適応反応として理解されてきた。しかしオートファジーに必須な遺伝子(Atg5およびAtg7)を欠損するマウスの解析から、オートファジーは栄養制御とは別に、栄養状態が十分に供給された状況にあっても細胞内品質管理機構としても重要であることが明らかとなった。これらの機能は、それぞれ誘導的オートファジーと定常的オートファジーが主に担っていると考えられた。また、単に細胞内のたんぱく質のみならず、過剰誘導されたペルオキシソームがオートファジー依存的に分解されることも発見された。その他、形質細胞様樹状細胞のウイルス由来の核酸認識にオートファジーが関与していることや、オートファジーがT細胞分化に重要であることなど、免疫系との関連も明らかになりつつある。 オートファジーの活性制御機構としては、主にインスリンを中心とした内分泌因子による制御が考えられている。しかしながら、インスリン分泌能を欠いたストレプトゾシン誘導糖尿病マウスにおいても、依然として絶食によるオートファジー誘導が観察されたため、インスリン以外の制御因子の存在が示唆された。オートファジーの誘導条件のひとつにアミノ酸飢餓がある。このとき細胞がどのようにしてアミノ酸濃度を感知しているかは不明である。ひとつの可能性として、フリーtRNAに結合して活性化されるGCN2がセンサーと考えられる。そこで、GCN2ノックアウトマウスから線維芽細胞株を樹立した。この細胞ではアミノ酸飢餓によるオートファジー誘導が有意に減弱していた。このことからインスリンに依存せず、GCN2を介したアミノ酸飢餓シグナルもオートファジー誘導を仲介する可能性が示唆された。
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