2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
18076005
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
水島 昇 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10353434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 以誠 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (30296868)
上野 隆 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10053373)
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Keywords | オートファジー / 初期胚発生 / 受精 / PI3キナーゼ / p62 / mTOR / ULK1 / HCV |
Research Abstract |
本課題では、オートファジーの生理的意義と、その活性制御機構、特異性制御機構を明らかにすることを目的としている。オートファジー関連因子ULK1とFIP200を含む複合体にさらに結合するAtg13を同定し、ULK1, Atg13, FIP200が大きな複合体を形成していることを示した。さらに栄養依存的にmTORC1複合体がULK1-Atg13-FIP200複合体と会合し、mTORがULK1とAtg13をリン酸化することを見いだした。飢餓時には両複合体は解離し、それによってオートファジーが活性化すると考えられた。また本年度は、初期胚発生においてもオートファジーが必須な役割を担っていることを明らかにした。初期胚におけるオートファジー誘導は栄養飢餓ではなく受精によってトリガーされるものであることを見いだしたが、この時もmTORの変動がオートファジーと負の相関を示したことから、必ずしも栄養飢餓とは関係ないオートファジー誘導においても、mTORが重要な役割を担っている可能性が示唆された。ULK1複合体の下流ではクラスIII PI3キナーゼが機能していると考えられてきたが、私たちはそのPI3キナーゼ複合体に含まれるAtg14を世界に先駆けて同定し、それが実際にオートファジーに必須であることを報告した。さらに、リソソーム蛍光標識マウスを作成し、オートファジー後期過程の生細胞内可視化に成功した。 分担者の上野は、選択的オートファジーの基質タンパクであるp62のドメイン解析から、LC3と相互作用する11アミノ酸残基からなるモチーフを特定した。またLC3の脂質化に必須なE2酵素であるAtg3のノックアウトマウスの解析を行い、オートファゴソーム様膜形成が起こるが完全に閉じられた小胞には至らないことを見出した。分担者の谷田はケラチノサイト分化時にオートファジーが誘導されることを見いだした。またAtg7の新規機能領域の解析、ヒトC型肝炎ウィルス感染時のHCV粒子産生におけるオートファジーの関与についての解析を行った。
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Research Products
(40 results)