2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
18076005
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
水島 昇 Tokyo Medical and Dental University, 医歯学総合研究科, 教授 (10353434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 以誠 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (30296868)
上野 隆 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10053373)
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Keywords | オートファジー / ULK1 / PI3キナーゼ / 小胞体 / p62 / 腫瘍 / 糖新生 / HCV |
Research Abstract |
昨年度、オートファジー関連因子であるULK1-Atg13-FIP200複合体がmTORによって直接リン酸化をうけ、負に制御されていることを示した。本年度は、さらにこの複合体含まれる因子Atg101の解析を行い、これら3MDaと想定される大きな複合体を形成することを示した。さらに、飢餓時にこの複合体が小胞体上あるいは非常に密接した構造体に移行することを本経費で購入した共焦点レーザー顕微鏡を利用して明らかにした。また、mTORの新規制御因子Tti1を同定し、その機能解析を行っている。一方、オートファジーの生理的意義の解析としては、Atg5全身モザイク欠損マウスを作製し、オートファジー不能細胞を生体内で長期間観察することに成功した。このマウスでは、肝のみで多発性腫瘍が発生したことから、オートファジーは肝における腫瘍抑制の役割を担っていることを初めて個体レベルで示すことに成功した。 分担者の上野は、肝オートファジーで生成するアミノ酸が糖新生を経てグルコースへ変換する過程を13C-セリンを用いたタンパク標識と質量分析(LC/MS)によって解析した。また、オートファジー不能マウス肝では、選択的オートファジー基質であるp62がKeaplと結合することで転写因子Nrf2の安定化を促し、一群の酸化ストレス緩和酵素を含むNrf2依存の転写応答を活性化させることを見出した。谷田は、オートファジー分子機構が、ヒトC型肝炎ウィルス(HCV)の関連タンパク質およびHCV mRNAの産生には影響を与えないが、その後のHCV粒子産生に関与していることを示した。またクロロキンによるHCV複製の阻害や胸腺上皮細胞におけるMHC-IIコンパートメントとLC3の共局在について解析を行った。
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Research Products
(28 results)