2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Proteolysis in the Regulation of Biological Processes |
Project/Area Number |
18076005
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
水島 昇 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10353434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 以誠 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (30296868)
上野 隆 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10053373)
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Keywords | オートファジー / mTOR / Tti1 / パーキン / ミトコンドリア / 腫瘍 / 糖新生 / プロテアソーム |
Research Abstract |
オートファジーの制御機構としては、オートファジー最上流因子であるULK1を制御するmTORの新規結合因子としてTti1/Tel2複合体を同定し、これがmTORC1複合体形成に重要であることを世界に先駆けて報告した。オートファジーの生理的意義の解析としては、Atg5全身モザイク欠損マウスの長期間観察によって、オートファジー欠損は肝の多発性腫瘍を誘発することを明らかにした。このマウスの肝細胞では、腫脹した不良ミトコンドリアが集積し、過剰な酸化ストレス応答やゲノム傷害応答が観察された。従って、オートファジーによるミトコンドリアの品質管理が、腫瘍の自然発生を抑制する上で重要であることが示唆された。また、不良ミトコンドリアのオートファジー分解に関わるとされるパーキンの分子機能解析から、パーキンには不良ミトコンドリアの外膜タンパク質の部分的修繕と、オートファジーによるミトコンドリア丸ごとの分解の双方の機能があることが判明した。 肝オートファジーで生成するアミノ酸が血糖維持に使われることに関連して糖新生中間体をメタボロームで解析し、オートファジー不能マウス肝では、主要な中間体の幾つかがヌクレオチド3-リン酸とともに有意に減少していることを見出した。また、マウス除神経モデルにおけるヒラメ筋の萎縮にオートファジーが関わることを、骨格筋特異的オートファジー不能マウスとの比較から明らかにした。その他、オートファジーリソソームシステムとユビキチンプロテアソームシステムの協調作用について、オートファジー条件下でのプロテアソーム活性制御、オートファジー誘導剤によるヒトC型肝炎ウィルス増殖への影響を解析した。
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Research Products
(65 results)