2010 Fiscal Year Annual Research Report
個体生存戦略における匂い・フェロモンセンサーの環境応答機能
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
18077001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東原 和成 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00280925)
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Keywords | センサー / 匂い / フェロモン / 受容体 / 昆虫 / チャネル / カイコ / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
本研究では、独自の嗅覚システムを進化させた齧歯類と昆虫に着目して、匂いとフェロモンのセンサー機能、センサー間相互作用、センサーを介した情報伝達経路、センサー情報を統合する神経回路網、センサー刺激による行動・内分泌変化などの個体応答を解析して、細胞感覚モジュールとしての嗅覚センサーの分子動態の全貌を明らかにする。22年度は、鼻以外に発現する嗅覚受容体の機能モーダルシフト解析を中心に進めたほか、マウスの嗅上皮を覆う粘液の匂いセンシングへの影響、鋤鼻神経におけるマウスフェロモンセンサーの解析、昆虫の化学感覚センサーの分子基盤の解析を推進した。卵巣に発現している嗅覚受容体の内在性のリガンドを探索したところ、包皮腺抽出液からC14の不飽和アルコール、腎臓からはC9のアルデヒドが同定された。精子細胞に発現している嗅覚受容体が、精巣抽出画分に対して応答したので、現在活性物質の精製を行っている。また、嗅粘液に匂い分子を変換させる酵素が存在することを見出し、その反応は匂い分子がセンサーによって感知される以前の早い段階でおきており、その結果、匂いの脳レベルでの認知に影響を与えることがわかった。オスマウス涙に分泌されるペプチド性のフェロモンのメスへの性行動誘起は、鋤鼻神経に発現するV2Rp5センサーを介しておきることを分子生物学的に実証した。カイコ幼虫に発現する味覚受容体のうちBmGr9はフルクトースを認識するセンサーであることがわかり、リガンド作動性のイオンチャネルであることを明らかにした。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Adiponectin and AdipoR1 regulate PGC-1alpha and mitochondria by Ca(2+) and AMPK/SIRT12010
Author(s)
Iwabu M, Yamauchi T, Okada-Iwabu M, Sato K, Nakagawa T, Funata M, Yamaguchi M, Namiki S, Nakayama R, Tabata M, Ogata H, Kubota N, Takamoto I, Hayashi YK, Yamauchi N, Waki H, Fukayama M, Nishino I, Tokuyama K, Ueki K, Oike Y, Ishii S, Hirose K, Shimizu T, Touhara K, Kadowaki T.
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Journal Title
Nature
Volume: 464
Pages: 1313-119
Peer Reviewed
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[Journal Article] The male mouse pheromone ESP1 enhances female sexual receptive behaviour through a specific vomeronasal receptor2010
Author(s)
Haga, S., Hattori, T., Sato, T., Sato, K., Matsuda, S., Kobayakawa, R., Sakano, H., Yoshihara, Y., Kikusui, T., Touhara, K.
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Journal Title
Nature
Volume: 466
Pages: 118-122
Peer Reviewed
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[Journal Article] Chemical Identity of a Rotting Animal-Like Odor Emitted from the Inflorescence of the Titan Arum (Amorphophallus titanum)2010
Author(s)
Shirasu, M., Fujioka, K., Kakishima, S., Nagai, S., Tomizawa, Y., Tsukaya, H., Murata J., Manome, Y., Touhara, K.
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Journal Title
Biosci.Biotechnol.Biochem.
Volume: 74
Pages: 2550-2554
Peer Reviewed
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