2010 Fiscal Year Annual Research Report
センサー機能のモーダルシフトによる触覚受容の病的変化のメカニズム
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
18077002
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田邊 勉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70183069)
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Keywords | 分子センサー / 触覚 / 神経因性疼痛 / アロディニア / 痛覚過敏 / 細胞感覚 |
Research Abstract |
本研究の目的は"触→痛"への応答変換に関与するセンサー分子群の単離と、センサー機能のモーダルシフトによる触覚受容の病的変化のメカニズムを明らかにすることである。神経因性疼痛は様々な神経の傷害や病的変化により発症する難治性慢性疼痛である。我々は先の研究で、セリン/スレオニンリン酸化酵素の一種であるCK1ε(カゼインキナーゼ1イプシロン)が、マウスの神経因性疼痛に関与する分子であることを新たに見出した。すなわちCK1δ/ε特異的阻害薬であるIC261を髄腔内に投与すると、神経因性疼痛行動が抑制され、さらに神経因性疼痛を発症したマウスより作製した脊髄スライス標本では、後角で記録される後根刺激誘発興奮性膜電位応答がIC261により抑制された。 さらにCK1ε蛋白質の発現が後根神経節および脊髄後角において上昇した。これらの結果からCK1εは一次求心性線維から脊髄後角細胞への神経因性疼痛伝達に関与する事が示唆された。そこで今年度は炎症性疼痛におけるCK1εの関与の可能性について検討した。炎症性疼痛として、カラゲニンあるいはCFAを足底皮下投与により作成したモデルマウスを用いた。そしてこれらモデルマウスにおいて観察される熱性痛覚過敏反応がIC261の髄腔内投与により濃度依存的に減弱することが明らかとなった。我々はこれまでに神経因性疼痛モデルマウスにおいて、CK1ε蛋白質が後根神経節及び脊髄後角において発現上昇することを見出しているのでこれら炎症性疼痛モデルマウスにおいても検討したところ、後根神経節及び脊髄後角におけるCK1δあるいはCK1εの蛋白発現量に変化は認められなかった。しかしながらモデルマウスのこれら組織において正常マウスにおいては認められないIC261感受性キナーゼ活性が検出された。これらの結果から、炎症性障害は脊髄後角および後根神経節におけるCK1δ/εの活性化を誘導し、それにより痛みを引き起こすことが示唆される。
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[Presentation] Specific blockade of synaptic transmission and behavioral pain responses by casein kinase 1 epsilon inhibitors in neuropathic mice2010
Author(s)
Tanabe, T., Sakurai, E., Kurihara, T., Kouchi, K., Saegusa, H., Zong, S.
Organizer
The 50th Annual Meeting of the American Society for Cell Biology
Place of Presentation
Philadelphia, USA
Year and Date
20101211-20101215
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[Presentation] Searching for downstream molecules of N-type voltage-dependent calcium channels (Cav2.2) contributing to the neuropathic pain2010
Author(s)
Tanabe, T., Sakurai, E., Kurihara, T., Kouchi, K., Saegusa, H., Zong, S.
Organizer
16th World Congress of Basic and Clinical Pharmacology
Place of Presentation
Copenhagen, Denmark
Year and Date
20100717-20100723
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[Presentation] Upregulation of casein kinase 1 epsilon after spinal nerve injury contributes to neuropathic pain2010
Author(s)
Tanabe, T., Sakurai, E., Kurihara, T., Kouchi, K., Saegusa, H., Zong, S.
Organizer
The Third International Congress on Neuropathic Pain
Place of Presentation
Athens, Greece
Year and Date
20100527-20100530
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