2007 Fiscal Year Annual Research Report
一人三役の光センサー蛋白、光活性化アデニル酸シクラーゼの分子内ドメイン相互作用
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
18077003
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
渡辺 正勝 The Graduate University for Advanced Studies, 先導科学研究科, 教授 (40124226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊関 峰生 総合研究大学院大学, 葉山高等研究センター, 上級研究員 (60414009)
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Keywords | 光センサー / フラビン / 環状AMP / ドメイン相互作用 / 細胞行動 |
Research Abstract |
(光活性化アデニル酸シクラーゼの構造と機能に関する理論解析) : 光活性化アデニル酸シクラーゼ(PAC)を構成する機能ドメイン、すなわち、フラビン結合領域(Fl,F2)およびアデニル酸シクラーゼ触媒領域(C1,C2)については、それぞれ他生物の類似タンパク質において、結晶構造解析が行われている。それらの情報を元に、PACの機能ドメインのホモロジーモデリングを行い、フラビン結合特性、ATP結合特性等の理論解析を行った。その結果、FlとF2のフラビン結合性の違いが、発色団遠方アミノ酸残基の寄与によることが示唆されたほか、C1がATP結合に直接関与していることが示唆された。(光活性化アデニル酸シクラーゼの導入による神経活動の光制御) :PACを他の細胞に導入することにより、その細胞の生理機能を光で制御できる可能性は、PACの発見当初より考えられていた。東邦大の長濱辰文教授らとの共同で、cAMPによる神経応答現象が良く知られるアメフラシ感覚ニューロンにPACを導入したところ、光照射によって活動電位が変化することが明らかとなった。これは前年度末に発表した光活性化アデニル酸シクラーゼの各種動物細胞での機能発現、特にショウジョウバエ脳での発現と行動の光制御の成功(ドイツグループとの協力による;Nature Methods 4, 39-42, 2007)とあわせ、微生物光センサー導入による様な生物機能光制御という新しいトレンドを開拓した特筆すべき成果である。
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