2006 Fiscal Year Annual Research Report
代謝環境センサーとして機能する核内受容体の分子ダイナミズム
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
18077005
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
槇島 誠 日本大学, 医学部, 教授 (70346146)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 幸子 日本大学, 医学部, 客員教授 (10014078)
|
Keywords | 核内受容体 / ビタミンD受容体 / ビタミンD / 転写調節 / 転写因子 / 胆汁酸 / リトコール酸 / 代謝 |
Research Abstract |
代謝環境センサーとして機能する核内受容体(VDR、LXRα/β、FXR、PPARα/δ/γなど)のリガンド応答性の分子ダイナミズムを、既知のリガンド及びそれらの誘導体や核内受容体の変異体を利用して、核内受容体の分子内・分子間相互作用や標的遺伝子の発現を解析することで検討した。 1.ビタミンD受容体VDRに対する1,25(OH)2D3及びメチルラクトン環やアダマンタン環を側鎖に有する誘導体の効果を比較検討した。1,25(OH)2D3の側鎖にこれら分子量の大きい側鎖を導入することで、細胞選択的VDRモジュレーターとして機能することが明らかになった。これらの誘導体は、ある細胞株ではアンタゴニストとして働き、また別の細胞ではアゴニストとして機能した。誘導体のアゴニスト作用は、SRC-1やDRIP205などのコアクチベーターのリガンド依存性VDR相互作用及び核におけるこれらコアクチベーター蛋白質の発現量と相関していた。また、誘導体がアゴニスト作用を示す細胞では、リガンド依存性のVDR核移行が認められたが、アンタゴニスト作用を示す細胞では、認められなかった。誘導体のVDRへの結合を介するRXRヘテロ二量体形成及びRXRへのアロステリック効果とアゴニスト/アンタゴニスト活性との関連性はなかった。よって、コアクチベーターとの相互作用と発現量がアゴニスト活性に、VDRの核移行の有無がアンタゴニスト活性に重要であると考えられる。 2.我々の過去の研究により、VDRは、活性型ビタミンD3である1,25(OH)2D3の他に、胆汁酸であるリトコール酸にも反応し、胆汁酸代謝センサーとして機能することが明らかになっている。リトコール酸及びその誘導体を利用しビタミンD3の作用と比較することで、ビタミンD3反応性内分泌受容体としての機能と胆汁酸に反応する代謝センサーとしての機能の選択性についての解析を行った。ビタミンD3に比較し、胆汁酸誘導体はカルシウム代謝に影響を与えにくいことが明らかになり、現在解析を進めている。
|
Research Products
(5 results)