2007 Fiscal Year Annual Research Report
代謝環境センサーとして機能する核内受容体の分子ダイナミズム
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
18077005
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
槇島 誠 Nihon University, 医学部, 教授 (70346146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 幸子 日本大学, 医学部, 客員教授 (10014078)
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Keywords | 核内受容体 / ビタミンD受容体 / ビタミンD / 転写調節 / 転写因子 / 胆汁酸 / リトコール酸 / 代謝 |
Research Abstract |
代謝環境センサーとして機能する核内受容体(VDR、LXRα/β、FXR、PPARα/δ/γなど)のリガンド応答性の分子ダイナミズムを、既知のリガンド及びそれらの誘導体や核内受容体の変異体を利用して、核内受容体の分子内・分子間相互作用や標的遺伝子の発現などを解析することで検討した。 1.活性型ビタミンD3(VD3)及び胆汁酸であるリトコール酸(LCA)の受容体として機能するVDRのリガンド撰択的作用発現機構を検討した。VD3及びLCAのVDRリガンド結合ポケットへの結合様式の解析から、よりVDR活性化作用の強いLCA誘導体を見いだした。腸管粘膜細胞におけるビタミンD代謝酵素CYP24及びカルシウムチャネルTRPV6の発現誘導効果を検討したところ、VD3はCYP24に対するよりも低濃度でTRPV6の発現を誘導したが、LCA誘導体の有効濃度の差は小さかった。マウスにおいて腎臓CYP24の発現を同程度に誘導するビタミンD3とLCA誘導体の投与量を決定し、比較検討を行った。ビタミンD3の投与は、腎臓や小腸粘膜におけるカルシウム代謝関連遺伝子の発現を誘導し、高カルシウム血症を引き起こすが、LCA誘導体はこれらの遺伝子の発現誘導はほとんど起こさず、血漿カルシウム値も上昇させなかった。結果は、リガンド選択的なVDR作用の存在を示しており、現在モーダルシフトに関連する分子機構の解析を進めている。 2.VDRの1分子内及び他の蛋白との2分子間のモーダルシフトを解析するために、蛍光標識蛋白の作製及び実験条件の検討を進めた。 3.LXRα/βと細胞増殖シグナルであるβ-カテニンとが遺伝子上で複合体を形成することを見いだした。 なお、培養細胞の細胞数を計測するためコールターカウンターを、またmRNAの発現解析のためリアルタイムPCR解析システムを購入した。
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Research Products
(28 results)