2007 Fiscal Year Annual Research Report
容積センサーアニオンチャネルとメカノセンサーカチオンチャネルの動作変換と相互連関
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
18077008
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
岡田 泰伸 National Institute for Physiological Sciences, 所長 (10025661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 信之 京都大学, 農学研究科, 助教 (50370135)
沼田 朋大 京都大学, 工学研究科, 助教 (20455223)
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Keywords | アニオンチャネル / カチオンチャネル / TRPM7 / ABCF2 / 蛋白-蛋白相互作用 / メカノセンサー / 容積センサー |
Research Abstract |
細胞の増殖や移動などの生存メカニズムのみならず細胞死の誘導メカニズムにも本質な役割を果たす細胞容積調節機構には、メカノセンサーとしての細胞膜伸展感受性カオチンチャネルと、容積センサーとしての容積感受性外向整流性アニオンチャネル(VSOR)の働きが重要な役割を果たしていることが明らかになりはじめている。この容積センサーアニオンチャネルVSORは、アクチンなどの細胞骨格系と相互関係を持ちながら容積増を検知していることが知られているが、その詳細な分子メカニズムは不明である。そこで本研究では、容積センサーでもあり、時にはROSセンサーとしても働くアニオンチャネルVSORと、メカノセンサーでもあり、同時にオスモセンサーでもあると共にVSORレギュレータでもあるカチオンチャネルTRPM7の多機能性とその動作変換の分子基盤、分子連関を解明することを目的にしている。TRPM7は、通常のイオンチャネルがイオン透過に用いるポア領域とC末端に酵素活性を持つ領域を持つユニークなチャネルである。そこで、H19年度には次にTRPM7から流入するイオン自体がVSORの活性に重要なのか、それとも、C末端の酵素活性がVSORの活性に重要なのかをポア変異、及びTRPM7のC末端酵素活性部位kinase-dead変異、酵素活性部位欠損変異を用いて検討したが、いずれも重要ではないことが判明した。一方でVSORとTRPM7は、機能的な連関が予想されるので、TRPM7にtagを付けてTRPW7、VSORを内在的に持つHEK細胞にTRPM7を大量発現させてTRPM7と物理的に相互作用のある蛋白を免疫沈降してVSOR候補蛋白を探索し、いくつかの相互作用する蛋白質が見出された。そこでH20年度は、この蛋白質の分子と役割の同定を行っていく。 ところで私達は、細胞質型ABC蛋自質ABCF2がVSORアニオンチャネルに対して抑制的に作用することを見出したが、その効果はABCF2の第2ヌクレオチド結合領域NBD2のATP加水分解欠失型変異によって失われることを明らかにした。今後、ABCF2とTRPM7の相互作用からVSOR-ABCF2-TRPM7 3者相互作用の検討へと研究を進めた。
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Research Products
(6 results)