2006 Fiscal Year Annual Research Report
ATPセンサーP2受容体-メカノセンサー相互作用による情報制御に関する研究
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
18077011
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小泉 修一 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (10280752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 聡子 国立医薬品食品衛生研究所, 薬理部, 研究員 (20274954)
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Keywords | ATP / UTP / ミクログリア / 神経細胞障害 |
Research Abstract |
脳内グリア細胞はATP等細胞外ヌクレオチドをグリア伝達物質として、グリア細胞及び神経細胞と積極的なコミュニケーションを図っている。脳傷害時のミクログリアの役割を、ミクログリアのATPセンサー機能-メカノセンサーとの相互連関の側面から検討を加えた。傷害を受けたニューロンはATP等のヌクレオチドを放出し、ミクログリアはこれをセンスして傷害部位に集合し、分裂し、ニューロンの修復に努める。この際、ミクログリアP2Y12受容体が中心的な役割を果たす。本研究により、傷害されたニューロンは、ATPだけでなくピリミジンヌクレオチドであるUTPを大量に放出していることが明らかとなった。このUTPは放出後速やかに細胞外ヌクレオチダーゼで分解されUDPとなった。ミクログリアはUDPをセンスするP2Y6を発現しており、これはニューロンが傷害されると発現が亢進することが明らかとなった。傷害部位に集合したミクログリアは、UDPをP2Y6受容体によりセンスすることにより、ど貪食能のスイッチが入ることが明らかとなった。ミクログリアはニューロンの修復に努めるだけではなく、既に傷害され、修復が不可能となったニューロン及び細胞破片については、それを貪食作用によって脳内から取り除いている可能性が示唆された。P2Y6受容体自身は、貪食を引き起こす実行分子では無く、そのスイッチであった。今後、ミクログリアP2Y6受容体とリンクする貪食受容体を明らかとする予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Retinoic acids increase P2X_2 receptor expression through the 5'-flanking region of P2rx2 gene in rat phaeochromocytoma PC12 cells.2006
Author(s)
Tozaki-Saito H., Koizumi, S., Sato, Y., Tsuda, M., Nagao, T., Inoue, K
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Journal Title
Mol. Pharmacol. 70 (1)
Pages: 319-328
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[Journal Article] UDP acting at P2Y_6 receptors is a novel mediator of microglial phagocytosis.
Author(s)
Koizumi.S., Shigemoto-Mogami, Y., Nasu-Tada, K., Shinozaki, Y., Ohsawa, K., Tsuda, M., Joshi, B.V., Jacobson, K.A., Kohsaka, S., Inoue, K.
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Journal Title