2006 Fiscal Year Annual Research Report
膜プロトンセンサーの細胞内イオンセンサーとの相互作用による活性制御機構の解明
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
18077015
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
若林 繁夫 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 部長 (70158583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 裕子 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 室長 (80171908)
西谷 友重 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 室長 (50393244)
久光 隆 国立循環器病センター(研究所), 循環分子生理部, 室員 (50327946)
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Keywords | 生理学 / 蛋白質 / 循環器・高血圧 / シグナル伝達 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
(1)Na^+/H^+交換輸送体(NHE, SLC9)の新規結合タンパク質の同定に関して。まず、HAタグ標識NHE1と未標識NHE1を安定に発現する細胞株を樹立した。これらの細胞を界面活性剤で溶解し、抗HA抗体樹脂を用いてNHE1を精製する方法を確立した。NHE1とともに既知のCHP1が精製されてくることがわかった。シプロルビー染色によってNHE1とCHP1の量比を定量したところ、NHE1一分子あたり一分子のCHP1、すなわちNHE1ダイマー当たり二分子のCHP1がサブユニットとして常に結合することが判明したが、CHP1以外の1:1で強固に結合しているタンパク質は検出されなかった。またNHE1のN末アミノ酸配列を解析したところ、LQLSP…という配列が出現し、形質膜に発現するNHE1はGly36とLeu37の間で切断されることがわかった(論文執筆中)。なお、CHP1以外の結合タンパク質を同定するため、ゲルからバンドを切り出しLC-MS/MS解析を行ったところ、少なくとも3個の新規(未報告)の結合タンパク質が発見された。これに関しては現在解析を進めている。 (2)活性化型NHE1を心臓特異的に高発現するトランスジェニック(Tg)マウスに関して。NHE1のCaM結合阻害ドメインを心筋α-ミオシン重鎖プロモータ制御下に心臓に高発現するTgマウスのラインを完成させた。興味深いことに、このマウスは心肥大を経て心不全になり、心機能の著明な低下をまねき早期に死亡することがわかった。これらの心機能低下は、NHE1の特異的阻害剤カリポライド投与により抑制された。Tgマウスから取り出した単離心筋細胞は、高い細胞内pH、Na^+濃度を示し、細胞内Ca^<2+>過負荷が起こること、そのCa^<2+>濃度上昇が心肥大・心不全発症に大きく関与することがわかった(論文執筆中)。
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Research Products
(5 results)