2007 Fiscal Year Annual Research Report
膜プロトンセンサーの細胞内イオンセンサーとの相互作用による活性制御機構の解明
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
18077015
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
若林 繁夫 National Cardiovascular Center Research Institute, 研究所・循環分子生理部, 部長 (70158583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 裕子 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室長 (80171908)
西谷 友重 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室長 (50393244)
久光 隆 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室員 (50327946)
ベンアマール ユセフ 国立循環器病センター研究所, 心臓生理部, 室長 (90463273)
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Keywords | 生理学 / 蛋白質 / 循環器・高血圧 / シグナル伝達 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
(1)Na+/H+交換輸送体(NHE,SLC9)の新規結合タンパク質の同定に関して。まず,HAタグ標識NHE1と未購識NHE1を安定に発現する細胞株を樹立し,NHE1とともに共精製されてくるタンパク質を同定する試みを行った。その結果として,NHE1と等モルの必須サブユニットCHP1が共精製されること,これに付随して新しい結合蛋白質を数個見出した。そのうちの一つはCa^<2+>依存性蛋白質脱リン酸化酵素カルシニュリン(CaN-AB複合体)であった。NHE1の細胞質ドメインにはCaNによるNFATの脱リン酸化反応に必須の結合モチーフ(PxIxIT)と相同性の高い部分が含まれており,このモチーフが両者の結合に必要であることが明らかになった。興味深いことに,PxIxIT配列は脊椎動物由来のNHE1に広く保存されているが,哺乳類の形質膜に発現するNHE1-NHE5の中ではhouse-keeping型NHE1にしか存在しない。このことから,CaNとNHE1との相互作用によって何か普遍的に重要な生理機能が制御されていることが予想される。(2)活性化型NHE1を心臓特異的に高発現するトランスジェニック(Tg)マウスに関して。恒常的活性化型NHE1を心臓に高発現するTgマウスのラインを完成させた。このマウスは心肥大を経て心不全になり,心機能の著明な低下をまねき早期に死亡することがわかった。これらの心機能低下は,NHE1の特異的阻害剤カリポライド投与により抑制された。Tgマウスから取り出した単離心筋細胞は高い細胞内pH,Na^+濃度を示し細胞内Ca^<2+>過負荷が起こること,Ca^<2+>濃度上昇に伴って心肥大シグナルであるCaMKII,CaNの活性化,およびそれらの下流のHDAC,NFATシグナル分子が活性化され,心肥大・心不全発症に大きく関与することがわかった。
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Research Products
(8 results)