2009 Fiscal Year Annual Research Report
膜プロトンセンサーの細胞内イオンセンサーとの相互作用による活性制御機構の解明
Project Area | Molecular interaction and modal shift of cellular sensors |
Project/Area Number |
18077015
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
若林 繁夫 National Cardiovascular Center Research Institute, 循環分子生理部, 部長 (70158583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 裕子 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室長 (80171908)
西谷 友重 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室長 (50393244)
久光 隆 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室長 (50327946)
古林 創史 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 流動研究員 (50511531)
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Keywords | 生理学 / 蛋白質 / 循環器・高血圧 / シグナル伝達 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
(1)平成20年度までの研究で、Na^+/H^+交換輸送体(NHE1)の活性化が心肥大・心不全を起こすCa^<2+>シグナルを惹起するのに充分であることを報告した。心疾患時、ME1はホルモン等によって活性化を受けるが、これまでそのメカニズムの詳細はほとんど明らかでなかった。PKCの強力な活性化剤phorbol esterが強くNHE1を活性化することから、30年以上にわたってホルモンによるNHE1活性化はPKCによって起こると信じられてきた。しかしNHE1分子はPKCによってはリン酸化されない。今回常識に反して、NHE1はphorbol esterおよび内在性セカンドメッセンジャーDAGのターゲットであることが判明した。NHE1の活性化はPKCではなく、これら脂質の直接的相互作用、それに引き続くNHE1脂質センサードメインと形質膜との相互作用増強によるNHE1の構造変化の結果として起こると考えられた。(2)Ca^<2+>センサーNCS-1の心臓での機能に関して。NCS-1が特に幼弱期の心臓に高発現していることから、今回、幼弱期におけるNCS-1の役割について焦点を絞り解析を行なった。その結果、野生型およびNCS-1欠損(KO)マウスを用いた心エコー測定により、幼弱期のKOマウスでは特に収縮期における心機能および心拍数の低下が認められたが、成体ではこのような差は認められなかった。その細胞内メカニズムとして、KO心筋では収縮期の細胞内Ca^<2+>レベルおよびSR内Ca^<2+>量の低下、またSR Ca^<2+>ポンプやそれらを制御する種々のCa2+依存性の制御因子の活性が低下しているためであることがわかった。現在、これらCa^<2+>シグナル減少の原因を検討中である。(3)Ca^<2+>透過チャネルTRPV2は筋ジストロフィーなどの筋変性疾患の際に形質膜に移行し活性化され、筋細胞死を引き起こす過剰なCa^<2+>流入を惹起すると考えられている。内在性TRPV2活性を抑制するドミナントネガティブ変異体を高発現したTgマウスを作成することにより、TRPV2の活性化が筋ジスの病態を増悪化させる主要な要因であることが判明した。また今年度新たに心臓についても異なった方法に基づくドミナントネガティブ変異によって、TRPV2の拡張型心筋症における病態的役割も明らかになった。
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Research Products
(7 results)