2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Multi-level Environmental Governance for Sustainable Development |
Project/Area Number |
18078009
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
室田 武 Doshisha University, 経済学部, 教授 (40104749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 真 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10232555)
齋藤 暖生 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (10450214)
菅 豊 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (90235846)
鈴木 龍也 龍谷大学, 法学部, 教授 (30196844)
三俣 学 兵庫県立大学, 経済学部, 准教授 (10382251)
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Keywords | コモンズ / 入会林野 / 財産区 / 公共性 / 漁業権 / グローバル化 / 重層性 / ガバナンス |
Research Abstract |
グローバル化の著しい国内外の政治経済状況の下で、小さな地域社会が物質循環を豊かにする方向で持続する条件を探究し、これまでの研究の中間成果の一つとして室田武編著「グローバル時代のローカル・コモンズ」をミネルヴァ書房から刊行した。さらに、研究分担者、協力者の数人が研究成果の国際的発信として国際学術雑誌にいくつかの論文を発表したほか、国内の専門誌への論文発表を行なった。 それらの刊行作業と並行して国内調査と海外調査を幅広く展開した。国内調査は岩手県、山梨県、神奈川県、愛知県、滋賀県、沖縄県を中心に行い、特に愛知県豊田市においては、日本のローカル・コモンズの一つの形といえる財産区に関し、その存続を脅かす要因や存続に向けての抵抗の形を分析した。コモンズ長期存立の条件として従来は協治戦略のみを構想していたが、調査結果を踏まえて、今年度新たに抵抗戦略も重要であることを明らかにした。海外調査はインドネシア、フィリピン、インド南部、アフリカ西部、ロシア東部に焦点をあてて行い、持続するコモンズ、生成されるコモンズの事例数を増し、研究を蓄積した。 研究成果をローカル・コモンズの現場における現状と照らし合わせて検証する試みとしては、山梨県山中湖村にて多くの入会権者と交流するための公開セミナーを開催(12月)し、これには日本の入会林野に詳しいアメリカの政治学者マーガレット・マッキーン教授を招待した。さらに京都市にて同教授を含むシンポジウムを開催し、今後の国際的評価に耐える理論的・実証的枠組み作りの準備を開始した。また、重層的環境ガバナンスの視点から淀川流域に着目し、民主主義班との合同研究会を計4回開催し、その成果を報告書にまとめる作業を進めた。環境ガバナンスの8班全体との連携の視点からは、中間成果のミネルヴァ叢書のうち既刊行の6冊の内容を学ぶための合宿研究会を12月に京都市で開催し、全体の理解を深めた。
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Research Products
(45 results)