2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of hierarchical structure between quark and hadron phase by means of quark cluster
Project Area | Clustering as a window on the hierarchical structure of quantum systems |
Project/Area Number |
18H05402
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大西 宏明 東北大学, 電子光理学研究センター, 教授 (60360517)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
與曽井 優 大阪大学, 核物理研究センター, 特任教授 (80183995)
野海 博之 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (10222192)
新山 雅之 京都産業大学, 理学部, 准教授 (90455361)
青木 和也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (70525328)
兵藤 哲雄 東京都立大学, 理学研究科, 准教授 (60539823)
|
Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
|
Keywords | クォーククラスター / 反K中間子原子核 / ペンタクォークバリオン |
Outline of Annual Research Achievements |
ハドロンを構成するクォークは、通常ハドロン内部に閉じ込められ単独では取り出せない。この点においてハドロン層は他の階層とは異なるユニークな量子系と 言える。このような環境では、ハドロンの励起状態エネルギースペクトルや、その崩壊に現れる、内部クラスターの振る舞いが示す特有の信号を高精度でとらえ ることが、内部のクラスター構造を研究するための非常に有効な手法となる。特に、励起ハドロンのエネルギースペクトルからハドロン内に存在する新奇なクラ スター、ダイクォークやハドロン分子の存在、およびその役割に注目が集まっている。 本研究では特に、ハドロンを構成子とする可能性が高いΛ(1405) 、5つのクォークで構成されるハドロンであるペンタクォークバリオン、ハドロン内に存在すると考えるている有効自由度”ダイクォーク”のダイナミクスを明らかにすることができるチャームクォークを含むバリオンなどを実験的に測定し、その特性を明らかにすることが最終目標である。 本研究年度では、Λ(1405) 、ペンタクォークバリオンを包括的に測定することを目的としたSPring-8/LEPS2実験のためのスペクトロメーターの建設がほぼ終了し、物理実験開始の目処を立てることができた。一方、チャームクォークを含むバリオンスペクトロスコピーのための実験であるJ-PARC E50実験のためのスペクトロメーターについては、検出器の建設が進み、ほぼ全ての検出器建設の目処がたった。また、最大の懸念事項であった、高速データ収集システムについても同様に開発をすsめることができた。最終年度、SPring-8/LEPS2 実験における物理データ収集、および、るJ-PARC E50実験装置全体でのシステム試験の準備がほぼ整ったと言える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体として、目標としている検出器建設は順調に進んでいる。SPring-8/LEPS2実験では、さまざまな犬種tきの不具合の修復、検出器調整に手間取ったもののm実際の物理データ収集が可能なレベルまで検出器の調整が進んだ。J-PARC E50実験については、J-PARCにおけるビームタイムの問題はあるものの、検出器自身の整備が着実に進んでいる。最終年度、全ての検出器を並べ、開発したデータ収集系を使ったシステム試験の準備が順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
SPring-8/LEPS2実験では、物理データの取得、データ解析を最優先課題として推進する。特に反K中間子原子核状態K-ppが光反応でどれくらいせいせされるのか?生成されている場合、その特性は J-PARCで発見されたものと同じなのか?違うならどのように違うのかを明らかにする。 J-PARC E50 実験では、建設中のスペクトロメータを全て完成させ、全ての検出器を繋いだシステム試験を計画する。これまでの成果をまとめ、研究会等で積極的に公表、得られた成果の意味することを明確にする。
|