2021 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the schizophrenia-related neural circuits based on transposon dynamics
Project Area | Constructive understanding of multi-scale dynamism of neuropsychiatric disorders |
Project/Area Number |
18H05430
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岩本 和也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40342753)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 体細胞変異 / 統合失調症 / 母体免疫活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
主要な精神疾患である統合失調症では、患者死後脳由来神経細胞において、内在性レトロトランスポゾンLINE-1のゲノムコピー数増大が見いだされている。本研究計画では、LINE-1のゲノムコピー数増大の分子機構の解析と、精神疾患病態との関連を、動物モデルを用いて検討を行う。動物モデルとして、母体免疫活性化を対象とし、妊娠マウスへのpoly(I:C)投与モデル、および、インフルエンザウイルス直接感染モデルを用いる。本年度は、本研究計画において新たに構築したLINE-1新規転移をモニターする、LINE1-EGFPマウス、および、プロモーター領域を改変したtrLINE-1-EGFPマウスについて、転移活性の検討を行った。その結果、両系統とも成体脳においてEGFP陽性細胞が検出された。現在、poly(I:C)投与の影響の検討を実施し、次年度に評価を行う。インフルエンザウイルス直接感染モデルにおいては、生後直後の脳試料でのRRBS法による網羅的DNAメチル化解析のデータ解析を継続した。RNA-seq法によるトランスクリプトーム解析では、神経機能に関連する遺伝子群の発現上昇を認めた。これらの遺伝子群の一部ではDNAメチル化状態の変動を伴っていることが示唆されたため、成体でのDNAメチル化および遺伝子発現についてのオミックス解析データの取得を行った。全ての動物実験は、熊本大学動物実験倫理委員会の承認を得、動物実験ガイドラインに従って実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LINE-1転移の分子機構解析が順調に進展している。インフルエンザウイルス直接感染モデルについて、オミックス解析が順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、複数の動物モデルにおけるオミックスデータの解析を終了し、また、転移モニターマウス等を用いることにより、母体免疫活性化とLINE-1転移および精神疾患との関連について一定の結論を得る。
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