2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of next-generation trans-omics technologies for multi-timescale metabolic regulation in psychiatric disorders
Project Area | Constructive understanding of multi-scale dynamism of neuropsychiatric disorders |
Project/Area Number |
18H05431
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
柚木 克之 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (70433745)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 代謝 / システム生物学 / トランスオミクス / 神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神病態の分子基盤解明を可能にする次世代トランスオミクス技術の一環として、前年度までに開発した新規トランスオミクス解析手法をin vivoの動物臓器サンプルにも適用できることを実証した(Kokaji et al., 2020 Science Signaling)。健常マウス(C57BL/6J)および肥満マウス(ob/ob)に経口グルコース負荷試験を課した際の肝臓の応答をタンパク質リン酸化およびトランスクリプトーム、メタボロームの3階層にわたって計測し、健常マウスと肥満マウスそれぞれの多階層代謝制御ネットワークを再構築した。解析の結果、健常マウスではAKTシグナリングや代謝物-代謝酵素相互作用など「速い」生化学過程によって代謝系が制御されている一方で、肥満マウスでは対照的に「遅い」過程である遺伝子発現によって代謝系が制御されていることを見出した。また、時系列の多階層オミクスデータから数理モデル(微分方程式モデル)を構築し、当該数理モデルを用いて各生化学過程がどの程度の大きさの制御を担っているかを定量化した。結果、代謝制御の大部分を担う生化学過程を特定することに成功した(Ohno et al., 2020 iScience)。これら以外では、筋肉細胞に電気刺激を与えた場合に応答する多階層代謝制御ネットワークを再構築し、運動に応答する分子基盤を大規模に同定した(Hoshino et al. 2020 iScience)。上記のプロジェクトで開発した諸手法など、近年のトランスオミクス関連技術開発の全体像を「細胞の反応速度論的描像に基づく統合オミクス解析」と題して日本バイオインフォマティクス学会年会にて口頭発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
精神病態の分子基盤解明を可能にする次世代トランスオミクス技術を確立するうえで重要なin vivo解析への適用を実証できたほか、数理モデルを用いて代謝制御の重要経路の特定にも成功するなど新技術の開発が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
開発が進んでいる次世代トランスオミクス技術を、精神疾患に関連するサンプルに適用する。また、新技術としてゲノム階層を含むトランスオミクス解析技術を開発し、遺伝子型から(代謝)表現型に至るネットワーク再構築を目指す。多階層ネットワークの視覚化技術についても継続して開発を進め、オープンソースのパッケージとして公開する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Transomics analysis reveals allosteric and gene regulation axes for altered hepatic glucose-responsive metabolism in obesity2020
Author(s)
Kokaji T., Hatano A., Ito Y., Yugi K., Eto M., Morita K., Ohno S., Fujii M., Hironaka K., Egami R., Terakawa A., Tsuchiya T., Ozaki H., Inoue H., Uda S., Kubota H., Suzuki Y., Ikeda K., Arita M., Matsumoto M., Nakayama K. I., Hirayama A., Soga T., Kuroda S.
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Journal Title
Science Signaling
Volume: 13
Pages: -
DOI
Peer Reviewed
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