2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of next-generation trans-omics technologies for multi-timescale metabolic regulation in psychiatric disorders
Project Area | Constructive understanding of multi-scale dynamism of neuropsychiatric disorders |
Project/Area Number |
18H05431
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
柚木 克之 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, チームリーダー (70433745)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 代謝 / システム生物学 / トランスオミクス / 神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで開発してきた次世代トランスオミクス技術をさらに発展させ、精神疾患関連データに初めて適用した。当該データを用いるにあたっては「公開情報に基づくインテリジェンス (OSINT; open source intelligence)」に着想を得て、公共のトランスクリプトームデータとeQTL(発現量的形質遺伝子座)データ、SNPsデータを転写制御ネットワーク上で統合する技術を新たに開発した。この技術を統合失調症患者由来の神経系細胞から得られた15件の既報トランスクリプトームデータに応用し、複数の患者集団の神経系細胞に共通して出現する転写制御ネットワークの同定に成功した(Okamoto et al. 2022 Neuroscience Research)。さらに、当該ネットワークを構成する遺伝子とeQTLの関係にあるSNPsを同定し、これらのSNPsの関連疾患・形質には統合失調症のみならず免疫や炎症、血球系細胞の数や眼に関するものなどが有意に多く出現することを明らかにした。これらの疾患・形質について生命科学文献データベースPubMedを網羅的に検索したところ、免疫や炎症関連のSNPsは統合失調症の炎症原因説を裏付けるものである可能性が示された。また、血球系細胞の数や眼に関する形質については、統合失調症との関連は過去にほとんど報告されておらず、新規の統合失調症関連形質の可能性がある。このように、公共オミクスデータを用いたトランスオミクス解析により過去の知見や仮説の裏付けが得られたほか、データドリブンな新規仮説生成の可能性が示された。このほか、これまで時系列データ(複数のデータポイント)を必要としていたトランスオミクス解析の限界を克服し、定常状態(データポイントは1つ)のオミクスデータでもトランスオミクス解析を可能とする新技術を開発した(Egami et al. 2021 iScience)。また、多階層ネットワークの視覚化技術についても継続して開発を進め、オープンソースのパッケージとして公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに開発したトランスオミクス解析手法を発展させ、本領域の主たる対象分野である精神疾患関連データに初めて適用することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
精神疾患関連のオミクスデータにトランスオミクス解析を適用した結果得られた知見・予測の実験的な検証を行う。多階層ネットワークの視覚化パッケージについては論文化を進める。また、遺伝子型から(代謝)表現型に至るネットワーク再構築を可能にする新規技術の確立を急ぐ。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Trans-omic analysis reveals obesity-associated dysregulation of inter-organ metabolic cycles between the liver and skeletal muscle2021
Author(s)
Egami R.,Kokaji T., Hatano A., Yugi K., Eto M., Morita K., Ohno S., Fujii M., Hironaka K. Uematsu S., Terakawa A., Bai U., Pan Y., Tsuchiya T., Ozaki H., Inoue H., Uda S., Kubota H., Suzuki Y., Matsumoto M., Nakayama K.I., Hirayama A., Soga T., Kuroda S.
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Journal Title
iScience
Volume: 24
Pages: 102217~102217
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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