2018 Fiscal Year Annual Research Report
操作・モデリングから迫る精神病態シナプスパソロジーの多階層理解
Project Area | Constructive understanding of multi-scale dynamism of neuropsychiatric disorders |
Project/Area Number |
18H05433
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
林 朗子 (高木朗子) 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60415271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 昌司 上智大学, 理工学部, 教授 (30188304)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | スパイン / 2光子励起イメージング / 非線形効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
DISC1コンディショナルノックダウンマウスを神経発達後期から成体期にかけてin vivo 2光子励起イメージングを行い、実際に脳内で生じているスパイン動態を可視化・定量した。はじめに、in vitro/in vivo ホールセル記録、Ca2+イメージング、シングルスパイン・MNI-グルタミン酸アンケージング法などの基本手技を完全に確立させた。マウス前頭野を標的として子宮内穿孔法で大脳皮質II/III層の錐体細胞に各種遺伝子を導入し、生後60日のマウスより前頭前野(PL領域)を含む冠状断急性スライスを作成し、グルタミン酸アンケージング法による単一スパイン刺激を行い、EPSCをホールセルパッチクランプ法により記録し、病態関連スパインのNMDA-EPSC/AMPA-EPSC比を求めた。これらのデータは、分担・田中が前頭前野神経回路モデリングを行っている。またGCaMP6もしくはCal-520などを用いたCa2+イメージングとホールセル記録を併用し、病的なスパインを有する樹状突起における樹状突起イベントと発動電位の発生に関しても定量的なデータを採取した。病的スパインは活動電位の発生に非線形な効果を持つことが明らかになった。また病的スパインの発生が有意に多いDISC1コンデショナルノックアウトマウスの行動解析を行い、オープンフィールド、プレパルス抑制、T-maze、Y-maze、高架式十時迷路、新規物体認識テストなどの必要なデータを採取した。行動解析を行ったマウス脳は保存し、スパイン情報と行動とにどのような関連があるかを、組織学的に検証した。以上の結果より、DISC1コンディショナルノックダウンで生じる病的スパインの電気生理学的特性とそれと関連する行動異常が明らかになりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定だった行動解析は全て終了し、電気生理およびカルシウムイメージングを用いた多階層イメージング・レコーディングも予想以上の進捗であり、研究の方向性が見えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)病的スパインのAMPA-EPSC/NMDA-EPSCのデータ採取を完了し、このデータを基にした回路シミュレーションを進める。 (2)DISC1 cKDでは作業記憶障害がみられるため、この細胞・回路基盤を検証する。そのための手がかりとして、課題遂行中の前頭野のオシレーションを計測することと考えており、この実験系の確立に取り掛かる。
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[Journal Article] Chemical Landscape for Tissue Clearing Based on Hydrophilic Reagents2018
Author(s)
Tainaka K, Murakami TC, Susaki EA, Shimizu C, Saito R, Takahashi K, Hayashi-Takagi A, Sekiya H, Arima Y, Nojima S, Ikemura M, Ushiku T, Shimizu Y, Murakami M, Tanaka KF, Iino M, Kasai H, Sasaoka T, Kobayashi K, Miyazono K, Morii E, Isa T, Fukayama M, Kakita A, Ueda HR
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Journal Title
Cell Reports
Volume: 24
Pages: 2196~2210.e9
DOI
Peer Reviewed
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