2021 Fiscal Year Annual Research Report
Innovation of Infrared Observations of Young Planets and Habitable Planets
Project Area | A Paradigm Shift by a New Integrated Theory of Star Formation: Exploring the Expanding Frontier of Habitable Planetary Systems in Our Galaxy |
Project/Area Number |
18H05442
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田村 元秀 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (00260018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永山 貴宏 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (00533275)
栗田 光樹夫 京都大学, 理学研究科, 准教授 (20419427)
佐藤 文衛 東京工業大学, 理学院, 教授 (40397823)
小谷 隆行 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, アストロバイオロジーセンター, 助教 (40554291)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 系外惑星 / 赤外線 / 若い惑星 / 視線速度法 / 光周波数コム / M型星 / 相関法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、低温度天体の観測に有利な赤外線を利用して、若い惑星およびM型星まわりの惑星観測に新機軸を打ち立てることを目標とする。そのために、赤外線観測好適地に位置する南アフリカ天文台の望遠鏡に赤外線分光観測装置を製作し、すばる望遠鏡なども利用しつつ太陽近傍の赤色矮星や若い恒星のまわりの惑星を探索する。とりわけ、比較的周期の短いハビタブル惑星の検出に重点を置く。これらにより、惑星探索を中心としたアストロバイオロジーも展開する。今年度は、すばる望遠鏡による晩期M型星観測を戦略枠観測として継続・推進した。本観測は、有望な天体のスクリーニングと集中観測を並行して進めている。その結果、高精度速度決定に基づく赤外線ドップラー法による最初の系外惑星の発見論文を投稿した。この惑星は恒星活動と異なる周期を持ち、周期11日、4地球質量程度のスーパーアースと推測される。離心率がありハビタブルゾーンを通過する可能性がある。これらの観測結果を赤色矮星における光合成研究とリンクする研究も進めた。一方、南アフリカ天文台に観測設備を準備する事業を継続した。大阪大学の口径1.8m望遠鏡PRIME、名古屋大学等の口径1.4m望遠鏡IRSF、南アフリカ天文台の口径10m望遠鏡SALTに搭載可能な高分散分光器の設計と開発を継続した。IRSF望遠鏡のリモート観測化のための制御系の更新を継続し、リモート化のための整備を整えた。また、若い惑星およびM型星まわりの惑星の観測結果を出版し、関連する系外惑星・星惑星形成の研究成果も多数出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
開発中の赤外線分光器の設計および要素開発は順調である。開発に専念する研究員と系外惑星探査を推進するための研究員の雇用も継続している。すばる望遠鏡における高精度赤外線分光器IRDによるM型星まわりの惑星探査を戦略枠観測として継続し、これまでのスクリーニングを経て、最初の成果を得た。さらに、そのデータを用いて、主星である晩期M型星の金属量の測定することに成功し、論文として出版した。晩期M型星の活動性も評価し、学会発表した。さらに、本研究に密接に関係する若い惑星と軽い惑星を含む多数の系外惑星のトランジット法による検出をTESS望遠鏡・IRD等を利用して継続し、多数の査読論文として出版した。とりわけ、ハビタブルゾーンの近傍に位置する地球型惑星の発見、多数の浮遊惑星の発見、K2ミッションにのデータを利用した多数の惑星の発見などの成果を得た。コロナ禍に伴い南アフリカ天文台における活動は制限されているため、国内での研究・開発・設計に集中した。
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Strategy for Future Research Activity |
すばる望遠鏡による晩期M型星まわりの惑星探査と南アフリカ天文台用の分光器の製作を昨年度に引き続き推進する。前者の観測は、すばる戦略枠観測として推進している。150星の晩期M型星を観測し、そのうち有望な60天体の集中観測を継続している。惑星の発見論文を継続して出版する。一方、新分光器は大阪大学の口径1.8m望遠鏡PRIMEのサイトに設置し、当望遠鏡、名古屋大学等の口径1.4m望遠鏡IRSF、さらに南アフリカ天文台の口径11m望遠鏡SALTにファイバーでリンクする。温度安定化された真空低温チャンバーを製作を完成させ、光学系とのアセンブルを完成させる。波長校正用ファブリペローフィルターの評価を進める。分光光学系内でイメージスライサーを用いた高効率化を図る。光ファイバーの評価も継続する。これと並行して、IRSF望遠鏡のリモート観測化のための制御系の整備も継続し、リモート化を完成させる。
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Research Products
(77 results)
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[Presentation] 星形成領域NGC1333の磁場構造III2022
Author(s)
土井靖生, Jungmi Kwon, 富阪幸治, 長谷川哲夫, Doris Arzoumanian, 島尻芳人, 田村元秀, 松村雅文, 古屋玲, 犬塚修一郎, 他BISTRO チーム
Organizer
日本天文学会2022 年春季年会
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[Presentation] IRD 戦略枠観測による惑星の発見: 低温M型星のハビタブルゾーン内側境界 近傍を公転するスーパーアース2022
Author(s)
原川紘季, 平野照幸, 寳田拓也, 笠木結, 小谷隆行, 福井暁彦, 葛原昌幸, 堀安範, 大宮正士, 石川裕之, 工藤智幸, Sebastien Vievard, 芹澤琢磨, 黒川隆志, 西川淳, 上田暁俊, 田村元秀, 佐藤文衛, IRD-SSP チーム
Organizer
日本天文学会2022 年春季年会
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[Presentation] IRD-SSP によるM型星周りの惑星サーベイ:3年目の観測状況2022
Author(s)
大宮正士, 原川紘季, 工藤智幸, Sebastien Vievard, 葛原昌幸, 平野照幸, 宝田拓也, 日下部展彦, 高橋葵, 笠木結, 三井康裕, 小谷隆行, 田村元秀, 佐藤文衛, IRD-SSP チーム, IRD 装置チーム
Organizer
日本天文学会2022 年春季年会
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[Presentation] MuSCAT シリーズとすばる望遠鏡IRD インテンシブ観測によるTESSトラン ジット惑星候補のフォローアップ観測II2022
Author(s)
成田憲保, 福井暁彦, 小玉貴則, 渡辺紀治, 木村真博, 森万由子, 蔭谷泰希, 鄒宇傑, 平野照幸, 堀安範, 小谷隆行, 生駒大洋, 田村元秀, 川内紀代恵, MuSCAT チーム, IRD インテンシブチーム, IRD 装置チーム
Organizer
日本天文学会2022 年春季年会
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[Presentation] 高金属量mid-M型星をトランジットする巨大惑星TOI-519b の質量決定2022
Author(s)
蔭谷泰希, 成田憲保, 福井暁彦, 小玉貴則, 木村真博, 平野照幸, 堀安範, 石川裕之,小谷隆行, 生駒大洋, 田村元秀, IRDインテンシブチーム, IRD 装置チーム
Organizer
日本天文学会2022 年春季年会
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[Presentation] 高分散分光観測によるdipper天体の特徴づけと減光原因の推定2022
Author(s)
笠木結, 小谷隆行, 河原創, 田尻智之, 藤井通子, 大澤亮, 瀧田怜, 武藤恭之, 逢沢正嵩, 服部公平, 増田賢人, 百瀬宗武
Organizer
日本天文学会2022 年春季年会
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