2022 Fiscal Year Annual Research Report
high-precision experiments in atomic and molecular physics using a negative muon beam and their astrophysical application
Project Area | Toward new frontiers : Encounter and synergy of state-of-the-art astronomical detectors and exotic quantum beams |
Project/Area Number |
18H05458
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
東 俊行 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (70212529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一戸 悠人 立教大学, 理学部, 助教 (30792519)
山田 真也 立教大学, 理学部, 准教授 (40612073)
渡辺 伸 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (60446599)
馬場 彩 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (70392082)
井上 芳幸 大阪大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70733989)
池戸 豊 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 先任技師 (90415050)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 量子ビーム / 負ミュオン / 超伝導X線検出器 / 量子電磁力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画研究の当初目標は、真空中に孤立したミュオン原子から放出されるミュオン特性X線を超伝導カロリメータを導入して精密分光し、ミュオン原子のエネルギー 準位に現れる量子電磁力学(QED)効果を実験的に初めて明らかにすることであった。実績として当初の目標通りに強電場下のQED検証結果を得ることができた。 2022年度は、導入を予定していた高エネルギーX線に対応する多素子カロリメータに関して、専門的知識を有する研究協力者の転出に加え、新型コロナウイルスの 感染拡大による影響に伴って研究協力機関における外部からの研究者の受入制限により、新読み出し系に対応した硬X線用検出器開発に遅延が生じた。しかし、2023年度には順調に開発やテストが進展した。結果、2024年初頭にJ-PARCへの移設が完了し、実際に検出器を利用した負ミュオン実験を実施した。その結果、期待通りの動作を確認した。Arミュオン原子やXeミュオン原子からの40keVから120keVに至るミュオンX線観測に成功した。 一方で、2023年2月には、ミュオン原子だけでなく、ミュオンX線に現れる振動構造によるミュオン分子の直接観測にも初めて成功した。重水素D2固体標的中に、ddμというエキゾチック2原子分子イオンを生成した。ddμは、C02 計画班が取り組むミュオン触媒核融合の鍵となるエキゾチック分子である。振動スペクトルでは、ミュオンの質量を反映して物理化学理論におけるボルン・オッペンハイマー近似の破れが明瞭に観測され、少数量子多体系理論による精密計算の重要性が明らかになった。これは世界で初めてミュオン分子の存在を確認したもので、C01班との共同研究の成果である。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)