2018 Fiscal Year Annual Research Report
弾性連続体の動的ふるまいの解明とバイオメカニクス融合
Project Area | Science of Soft Robot: interdisciplinary integration of mechatronics, material science, and bio-computing |
Project/Area Number |
18H05466
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新山 龍馬 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 講師 (00734592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望山 洋 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40303333)
郡司 芽久 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 日本学術振興会特別研究員 (80833839)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 生物規範型ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、動物の脊柱に見られるしなやかな弾性連続体の役割に注目し、ロボティクスの観点から、人工的な脊柱の設計と制御の枠組みを構築することを目指す。生物の身体とその運動原理に迫る学際的なアプローチをとる。ロボットの身体に超多自由度の構造を新たに導入することは、俊敏さと巧みさを備えたしなやかなロボットの実現につながる。
2018年度は、索状弾性体のモデル化および、動物解剖学の観点から生物における体幹構造の調査に取り組んだ。脊柱のうち、頚椎(首の部分)に注目した。首は頭部と体幹をつなぐ部位で、弾性ロッドとしてモデル化することができる。生体では、キリン、ダチョウ、およびサギの首の解剖学的構造について標本を観察して調査した。異なる生物間の比較解剖学は、汎用的な機構および形態パラメータの調節について考察するために有用である。X線CT撮影によって得られた骨の3Dモデルを利用して、スケールを変えた椎骨のレプリカを樹脂で製作し、椎間板や結合組織、腱や筋の走行について工学的にこれを模擬するための基礎検討を行った。生体のしなやかな体幹運動を理解するには、実際の生体の体幹の物理的な特性を明らかにする必要がある。パラメータ推定の実験を、ダチョウの首を対象に行った。ダチョウの首の計測を行うために、ロボットアーム、力センサ、およびモーションキャプチャによって各種パラメータを得る手法を開発した。さらに、首を弾性ロッドとしてモデル化し、形状と各部分の弾性を推定する計算手法を適用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
体幹の索状弾性体を取り扱うための実験系の構築が、シミュレーションおよび生体の実計測の両面で実現することができた。生体の物理パラメータの推定は、モーションキャプチャのためのマーカーの取り付けや、力センサへの柔軟部の固定などの課題があったが、充填剤を用いるなどで解決することができた。計測結果からの形状や剛性の推定について基礎実験を行った。ワイヤ駆動によって動作する人工的な索状弾性体の設計についても着手することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
生体計測の結果に基づき、バイオニック弾性連続体の開発を推進する。具体的なタスクとしては、鳥類に見られる高速ピッキング動作を取り上げる。動物の頚椎の解剖学的構造を参照し、平面型プロトタイプを開発する。並行して、生体の首の粘弾性パラメータの推定について、生体の質量や粘弾性の範囲で安定に計算できるように改良を行う。連続体の運動制御については、試作機を製作し、ワイヤ駆動メカニズムおよび人工筋アクチュエータによる駆動方法を検討する。
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Research Products
(4 results)