2019 Fiscal Year Annual Research Report
イオン交換膜が実現するソフトロボットのモーションコントロール
Project Area | Science of Soft Robot: interdisciplinary integration of mechatronics, material science, and bio-computing |
Project/Area Number |
18H05470
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴森 康一 東京工業大学, 工学院, 教授 (00333451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波江 裕之 東京工業大学, 工学院, 助教 (90757171)
安積 欣志 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 上級主任研究員 (10184136)
堀内 哲也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (60738061)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 人工筋肉 / ソフトロボット / アクチュエータ / イオン高分子アクチュエータ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は,イオン高分子アクチュエータに関しては,紙や布をベースとした3次元IPMCの製作方法の提案及び試作を行った.また,ECラバーアクチュエータに関しては,昨年度試作した柔軟かつ電気駆動可能な細径マッキベン型人工筋の改良を行った. 紙や布をベースとした3次元IPMCの実現においては,紙や布といった材料を構造を維持するための母材として使用し,それらにイオン交換樹脂の分散液を浸透させることで,液体だけでは難しかった複雑な3次元構造の実現を目指した.基礎実験として単純な短冊型のサンプルを複数の母材を用いて製作し,その基礎特性の測定を行った.さらには,基礎特性の測定から得られた知見を元に,鶴形及び飛行機型のIPMCを試作し,その駆動に成功した.また,複雑形状のIPMCの駆動に必要な要素となる電極パターニングについても,機械的な接触により,還元を阻害する手法を提案し,実証試験に成功している. ECラバーアクチュエータに関して,昨年度は,還流による白金メッキ等により柔軟かつ電気駆動可能な細径マッキベン型人工筋の試作及び駆動に成功していたが,駆動性能に問題があった.解析の結果,イオン交換樹脂チューブの電極のダメージと配線の材質が問題であることが分かった.配線材質を変更するとともに,樹脂チューブのメッキに関しては金と白金の二層電極にすることにより,白金の触媒作用と金の延性によるひび割れの防止の2つの性質を同時に発揮することを狙った.本手法による試作機では昨年度の試作機を超える気体の発生・吸収性能を確認するとともに,人工筋の試作機においても性能の向上が確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イオン高分子アクチュエータに関しては,紙や布をベースとした3次元IPMCの製作方法という画期的な手法の提案と試作機の作成,さらには駆動実験に成功している.また,電極に関しても簡易にパターニング可能な手法を提案し,実証試験に成功している. ECラバーアクチュエータに関しても,金と白金の二層電極の実現により, 柔軟かつ電気駆動可能な細径マッキベン型人工筋の改良に成功している. 材料シミュレーションに関しては,成果が得られていないものの上記のような画期的な成果が得られており,全体として順調に進んでいる
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Strategy for Future Research Activity |
イオン高分子アクチュエータに関して,材料の面からは,引き続き特性の評価や電気化学プロセスとカップリングした材料シミュレーションを進めるとともに,材料特性の向上を目指す.アクチュエータの面からは,本年度提案した電極パターニング手法を元に最適な電極配置の検討を行う.また,紙や布を母材とする作製手法に関して応用を模索する. ECラバーアクチュエータに関しては,引き続き材料及びアクチュエータ構造の両面から性能改善に努めていく.
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