2019 Fiscal Year Annual Research Report
Decryption of the ubiquitin code by chemo-technologies and advanced proteomics
Project Area | New frontier for ubiquitin biology driven by chemo-technologies |
Project/Area Number |
18H05498
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
佐伯 泰 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 副参事研究員 (80462779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 史明 公益財団法人東京都医学総合研究所, 生体分子先端研究分野, 主席研究員 (60447373)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | ユビキチン / プロテアソーム / p97 / ケモテクノロジー / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ユビキチンの多彩な機能はユビキチン修飾の構造多様性に由来しており、その高次構造に内包された情報は「ユビキチンコード」と称されるに至っているが、その全体像を解明する研究はまだあまり進んでおらず、デコーダー分子の使い分けや機能連携も不明な点が多い。本計画研究では、ユビキチン解析に特化した様々な最先端プロテオミクス解析法を確立し、領域内で開発するケモテクノロジーを利用して、ユビキチンシグナルの根幹である「ユビキチン修飾の高次構造」の直接の解析と「デコーダー分子による識別・解読機構」の解明を目的とする。 本年度の成果を以下に記す。 1.最先端ユビキチン・プロテオミクス解析法の開発:世界トップレベルの高深度比較プロテオーム解析法(TMT16plex/FAIMS/MS2)を確立し、SNIPERやセレブロンモジュレーターによるプロテオーム変動解析等に成功した。岡本班と共同で、分岐型ユビキチン鎖の絶対定量法(AQUA/Middle-down MS2)の開発に着手した。また、林班と共同で、新規ユビキチン化ペプチド同定法の開発に着手した。 2.ユビキチン選択的シャペロンp97の機能解析および阻害剤開発:深井班と共同で、ユビキチン選択的シャペロンp97のコファクターUFD1-NPL4の構造解析に成功し、K48連結ユビキチン鎖を識別する機構をNat Commun誌に発表した。また、吉田班と共同でUFD1-NPL4の相互作用を破壊する低分子化合物のスクリーニングに着手した。 3.シャトル分子の機能解析および阻害剤開発:本年度は、村田班、稲田班と共同で、RAD23BとK48連結ユビキチン鎖が共相分離し、プロテアソームをリクルートすることでタンパク質分解のための細胞内液滴を形成することをNature誌に報告した。阻害化合物についても1次スクリーニングが終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
最新鋭の質量分析計Orbitrap Fusion Lumosを用いた高深度比較プロテオーム解析、分岐型ユビキチン鎖の高次構造解析などの開発に成功した。また、各種阻害剤開発も順調に進展している。本年度は、プロテアソーム依存性タンパク質分解経路のユビキチンデコーダ―分子p97-UFD1-NPL4のK48連結ユビキチン鎖認識機構をNat Commun誌に発表するとともに、プロテアソームの基質シャトル分子RAD23Bがユビキチン鎖と液-液相分離しプロテアソーム液滴の形成を誘導するという全く新しい知見をNature誌に発表した。その他、西山班や稲田班との共同研究により、マルチプルモノユビキチン化によるDNA維持メチル化制御機構の解明、ユビキチン化によるリボソーム品質管理機構の解明をNat Commun誌、NSMB誌にそれぞれ発表するなど、大きな成果が次々と得られた。よって、当初の計画以上に研究が進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.最先端ユビキチン・プロテオミクス解析法の開発:世界トップレベルの高深度比較プロテオーム解析法(TMT16plex/FAIMS/MS2)を確立したため、領域内で新規に開発されたタンパク質分解誘導剤、各種阻害剤によるプロテオーム変動解析を実施する。分岐型ユビキチン鎖の組成解析(Middle-down MS2)について、岡本班が開発した化学合成ユビキチンを内部標準とした絶対定量法を確立する。また、林班と共同で新規ユビキチン化ペプチド濃縮法を用いた高効率のユビキチン化基質網羅的同定法を確立する。これらの新しい解析技術と従来のユビキチン鎖絶対定量法を用いて、領域内の各種共同研究を実施する。 2.ユビキチン選択的シャペロンp97の機能解析および阻害剤開発:ユビキチン選択的シャペロンp97はプロテアソーム依存的タンパク質分解経路、タンパク質輸送、選択的オートファジー、DNA修復、DNA複製など様々な細胞内経路を制御することが知られている。これまで、深井班、吉田班と共同でp97のユビキチン結合コファクターUFD1-NPL4のタンパク質間相互作用を破壊する低分子化合物をスクリーニングする。また、p97の主要なコファクター(UFD1-NPL4、FAF1、p47など)の機能解析を引き続き実施する。 3.シャトル分子の機能解析および阻害剤開発:ユビキチン化基質をプロテアソームに運搬するシャトル分子5種(RAD23A、RAD23B、UBQLN1、UBQLN2、UBQLN4)の使い分けと機能連携を明らかにするため、siRNAノックダウン時に変動する細胞内タンパク質をTMT16plex/FAIMS/MS2法を用いて解析する。また、内藤班、深井班と設計・合成したステープルペプチドによるシャトル分子の機能阻害を引き続き実施するとともに、吉田班により取得された低分子結合リガンドの2次スクリーニングを実施する。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Two distinct modes of DNMT1 recruitment ensure stable maintenance DNA methylation2020
Author(s)
Nishiyama Atsuya、Mulholland Christopher B.、Bultmann Sebastian、Kori Satomi、Endo Akinori、Saeki Yasushi、Qin Weihua、Trummer Carina、Chiba Yoshie、Yokoyama Haruka、Kumamoto Soichiro、Kawakami Toru、Hojo Hironobu、Nagae Genta、Aburatani Hiroyuki、Tanaka Keiji、Arita Kyohei、Leonhardt Heinrich、Nakanishi Makoto
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 11
Pages: 1222
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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