2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Chronogenesis: how the mind generates time |
Project/Area Number |
18H05521
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
嶋田 珠巳 明海大学, 外国語学部, 教授 (80565383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 拓央 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (20432734)
浅原 正幸 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, コーパス開発センター, 教授 (80379528)
小林 一郎 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (60281440)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 時間 / 時間と言語 / 人工神経回路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクト2年目は下記の研究を実施した。 (i) 人工神経回路の構築:・250億語規模のウェブコーパス(NWJC)に基づき、言語処理の深層学習モデル BERT の日本語モデル NWJC-BERT を構築した。NWJC-BERT による文脈化単語埋め込みに基づいて、語義の類似度をベクトル空間上に可視化して検討した。・日本語時間関係識別を行う深層学習モデルを複数構築し、4つの時間識別タスクによりその性能の精度比較を行った。この結果により、BERTモデルに単語間の最短依存経路(SDP)を追加しファインチューニングするモデルにおいて、高い識別能力を有することを確認した。 (ii) 時間表現の言語学的分析:・個別言語の時間表現に関して、特に日本語のテンス・アスペクト・モダリティを中心に考察した。・時を表す語彙に関して類型的な視点から調査した。・現代日本語書き言葉均衡コーパスに語義の情報を悉皆付与した。・言語フォーラムなどの研究会を通して、言語にあらわれるヒトの時間認識に関する 考察を積み上げた。 (iii) 時間表現の哲学的分析:「現在」時点の推移によって指示対象を変えるA系列的表現は日常的なものでありながら、諸科学での時間のパラメータ化と齟齬をきたすことがある。青山(2019)では、ポストディクションと呼ばれる心理学・神経科学的現象や、物理法則の無時制的特性を論じることで、この齟齬の具体例を示し、その解消策を探った。 (iv) 他班との連携研究:・B01 班が収集した DVD 視聴データに対する言語的な時間情報アノテーションに着手した。・D01班と時間概念発達の言語的出現に関する調査・検討に着手した。・ E01班の時間認知障害研究のB系列課題について共同で検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工神経回路の構築は複数のモデルを検討する段階に入っている。研究成果の発表、公刊、時間言語フォーラムの実施などにより研究が積み重ねられている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度に構築した日本語時間識別深層学習モデルを用い、脳活動状態を深層学習モデルの中間層の状態から推定する回帰モデルを構築する。時間言語フォーラムを活用して分野間の交流をはかる。
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[Book] 〈現在〉という謎2019
Author(s)
青山拓央ほか共著、森田邦久(編)
Total Pages
320
Publisher
勁草書房
ISBN
978-4-326-10277-8
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