2021 Fiscal Year Annual Research Report
Predictive analysis of oocyte integrity with chromosome imaging
Project Area | Ensuring integrity in gametogenesis |
Project/Area Number |
18H05549
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
北島 智也 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (00376641)
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Project Period (FY) |
2018-06-29 – 2023-03-31
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Keywords | 卵子 / イメージング / 紡錘体 / 染色体 |
Outline of Annual Research Achievements |
卵子のインテグリティの予見を目指し、卵子における染色体イメージングを中心的に用いた細胞生物学的な解析を行った。特に、卵子のインテグリティにとって最も重要な要素の一つが染色体数の正常性であることから、卵子の染色体分配エラーの原因となる要素の特定を目指した。 昨年度までに、老化卵子において顕著に量が減少する染色体因子を同定していた。この因子について遺伝学的に操作できる遺伝子改変マウスを作成し、卵子特異的なCreリコンビナーゼを用いることで、卵子特異的に標的の染色体因子の量を減少させた。この卵子について、染色体マーカーや紡錘体マーカーを用いたライブイメージング解析を行った。現在、定量的な解析を行うための大量データ取得が進行中である。また、染色体因子を特異的かつ定量的に検出するための抗体染色プロトコルの最適化を行い、信頼性の高い解析の系を確立した。これを用い、老化とともに減少することが知られる染色体因子コヒーシンについて、遺伝学的に減少させたときの影響について調べた。 また、昨年度までに動原体因子Ndc80-Nuf2とPrc1の相互作用が紡錘体形成に重要であることを見出していた。in vitroにおいてNdc80-Nuf2とPrc1の相互作用を検証する系を確立し、その相互作用に必要なタンパク質修飾についての解析を行った。 さらに、卵子染色体の新規ライブイメージング手法の開発を行った。染色体に固有な動態を解析可能なプローブを開発し、その条件検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
老化卵子で量が減少する染色体因子を同定し、その解析が順調に進んでいる。この過程において老化卵子のトランスクリプトーム解析を行い論文を発表するとともに(Mishina et al, Aging Cell 2022)、カロリー制限による影響についても予期せぬ情報が得られた。紡錘体形成機構の解析や、新規イメージング手法の開発も進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
老化卵子で量が減少する染色体因子について解析を継続して行う。特に、遺伝学的に減少させたときに老化を模倣した染色体分配エラーが見られるか、その機序について重点的な解析を行う。紡錘体形成機構についてはin vitro再構成系を活用した解析を進める。新規イメージング手法の開発を進め、大規模なデータ取得を開始する。また、トランスクリプトーム解析から得られた情報をもとに候補因子の解析を行う。
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Research Products
(10 results)