2010 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマ線バーストの光学・近赤外残光から読み解く太古の宇宙
Project Area | Deciphering the Ancient Universe with Gamma-Ray Bursts |
Project/Area Number |
19047003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 耕司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50221825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 亨 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90271519)
吉田 道利 広島大学, 宇宙科学センター, 教授 (90270446)
米徳 大輔 金沢大学, 数物科学系, 助教 (40345608)
柳澤 顕史 国立天文台, 岡山天体物理観測所, 助教 (90311183)
服部 尭 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (40450192)
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Keywords | ガンマ線バースト / 初代星 / 天体形成史 / 銀河形成進化 / 重元素進化 / 宇宙再電離 / 光赤外線天文学 |
Research Abstract |
岡山50cm、91cm、石垣島1m、宇宙科学研究所1.3mの中小口径望遠鏡によるガンマ線バーストの観測を行い、75ものGCNサーキュラーを配信した。(数が多いので今回は以下の雑誌論文には掲載しない。)1.3m望遠鏡に新赤外カメラが装着され、岡山91cm望遠鏡の赤外カメラも稼働し始めて、近赤外線での画像も撮れるようになり、GCNサーキュラーの配信も行った。これらの望遠鏡を用いた、可視では暗く近赤外線では明るいガンマ線バーストの残光検出例は今のところまだないが、今後も継続して検出を目指す。一方、すばる望遠鏡によるフォロウアップ用の可視撮像分光装置(FOCAS)のCCDアップグレードは完了して運用を開始していたが、平成23年7月の同望遠鏡主焦点まわりでの事故の影響で、FOCASの一部に損傷が生じて運用できなくなった。しかし、現在修復中であり、平成24年度後半には運用再開予定である。近赤外撮像分光装置(MOIRCS)の新グリズムについては、Kバンドの高分散素子を装着し、テスト後、定常運用状態になっている。 平成19年度に発見したガンマ線バーストの赤い母銀河について、すばる望遠鏡による追究観測を実施し、この銀河が実際に赤方偏移2付近に存在する銀河で、非常に重い銀河であることがわかった。このことは、母銀河の金属量が大きいことを示唆し、近年言われている金属量の小さい環境下でのガンマ線バーストの起源に疑問を投げかけることになった。ガンマ線バーストのメカニズムにも関わる重要な知見であり、記者発表を行った。また、ガンマ線バーストのガンマ線での偏光の検出に成功したことも特筆に値する。この他関連する銀河形成進化や超新星爆発等の研究も進めた。
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