2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048011
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒田 眞司 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (40221949)
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Keywords | スピントロニクス / スピン偏極電子源 / 強磁性半導体 / クラスター / ハーフメタル / 磁気光学効果 / 異常ホール効果 |
Research Abstract |
本課題では、半導体スピントロニクスへ応用を視野に、要素技術の一つであるスピン偏極電子源の実現のため、強磁性半導体の強磁性特性の制御・向上と応用を目的としている。これまでの我々の研究で、強磁性半導体である(Zn,Cr)Teにドナー性不純物であるヨウ素をドーピングすると、結晶中のCr分布が不均一となり、Crが高濃度に凝集したナノ領域の形成により強磁性転移温度が大幅に上昇することを明らかにしている。本研究ではこの成果に基づき、分子線エピタキシー(MBE)による結晶成長で、成長条件によりCr凝集領域の形成を制御し、強磁性特性を向上させることを目的として研究を行った。MBE成長中の基板温度、成長速度、ドーピング濃度、成長方位などの種々のパラメーターを系統的に変化させ成長した薄膜の結晶構造、Cr分布、磁化特性を調べ、これらの条件が凝集領域の形成と磁性にどのような影響を与えるかを調べた。その結果、成長中の基板温度がCr凝集領域の形成に大きな影響を与え、特にCrの平均組成が高い場合には、基板温度によりCr凝集領域の形状がクラスター状からカラム状に変化することが見出された。このような変化の原因は、基板温度による成長表面の原子のマイグレーションの違いに起因するものと理解される。また、(Zn,Cr)TeのCr組成を100%とした閃亜鉛鉱(ZB)型CrTeの成長にも取り組んだ。CrTeの安定相はNiAs型構造で、ZB型CrTeは仮想上の物質であるが、理論的にはハーフメタルの電子構造を持つと予測され、スピン注入源としては理想的材料である。このZB-CrTeの作製を目指し、MBEで成長条件をさまざまに変化させ、ZB-CrTe成長のために最適な条件を探索した。その結果、成長したCrTeの結晶構造および磁性は、成長中のCrとTeのフラックス比により大きく変化することが明らかとなった。
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[Journal Article] Reversible ferromagnetic spin ordering governed by hydrogen in Co-doped ZnO semiconductor2009
Author(s)
Y.C.Cho, S.J.Kim, S.Lee, S.J.Kim, C.R.Cho, H.H.Nahm, C.H.Park, I.K.Jeong, S.Park, T.E.Hong, S.Kuroda, S.Y.Jeong
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Journal Title
Applied Physics Letters 95
Pages: 1-3
Peer Reviewed
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