2007 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線磁気円二色性および軟X線散乱による高スピン偏極材料のキャラクタリゼーション
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤森 淳 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (10209108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 常晴 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (10150012)
竹田 幸治 独立行政法人日本原子力開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 任期付研究員 (50399416)
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Keywords | 磁性半導体 / 超構造 / 軟X線磁気円二色性 / 軟X線共鳴散乱 / 光電子分光 |
Research Abstract |
既存の軟X線磁気円二色性(XMCD)測定装置および軟X線光電子分光装置を用いて,半導体系スピントロニクス材料,合金系スピントロニクス材料のXMCD測定を行った. (1)Gaサイトを一部Siで置換した強磁性半導体Ga_<1-x>Cr_xNの電子状態を光電子分光により調べた.スペクトルのシフトから実際にn型キャリアーがドープされていること,ドープされたキャリアーの一部がCrに入りCrの価数を3価からわずかに減少させていることを見出した. (2)還元処理によりn型ドープしたTi_<1-x>Co_xO_2のミクロな磁性をXMCDで調べ,還元処理により磁気モーメントが増大すること,過剰に還元するとCo金属が析出することを見出した. (3)高温強磁性が報告されているZn_<1-x>Fe_xOナノ粒子のXMCD測定を行った.Feが2価と3価の混合状態にあり,強磁性を担っていること,3価のFeは主に粒子の表面に,2価のFeは粒子の内部に分布していることを見出した. (4)MgOバリアー層と接触するエピタキシャル成長ホイスラー合金Co_2MnSi超薄膜のミクロな磁気状態を,軟X線磁気円二色性(XMCD)実験により研究した.MgOに接するCo_MnSiが全く酸化していないこと,及びMnとCoの磁気モーメントの比=2.7を求め,L21構造のCo_2MnSiに対する理論比=2.8と良い一致を見出した. (5)希薄磁性半導体Ga_<1-x>Mn_xAsのXMCD測定より,強磁性出現に関する情報を得た. また,軟X線共鳴散乱装置の回転・検出機構部(内部メカ)を設計・製作した.
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Research Products
(20 results)