2008 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線磁気円二色性および軟X線散乱による高スピン偏極材料のキャラクタリゼーション
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤森 淳 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 教授 (10209108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 常晴 大学共同利用機関法人、高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (10150012)
竹田 幸治 独立行政法人日本原子力開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 任期付研究員 (50399416)
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Keywords | 磁性半導体 / 超構造 / 軟X線磁気円二色性 / 軟X線共鳴散乱 / 光電子分光 |
Research Abstract |
軟X線共鳴磁気散乱装置を構成する超高真空測定槽、及び試料準備槽とエアロック槽を製作し、共鳴散乱装置のハード部分を完成した。円偏光アシジュレーター放射を利用して装置立ち上げ試験を行い、共鳴散乱における磁気円二色性を観測した。 SPring-8において, アンジュレータギャップと連動したノンストップ軟X線磁気円二色性(XMCD)計測システム, 連続円偏光スイッチングXMCD計測システムの立ち上げ, XMCD計測の効率化と高精度化を進めた. 磁気トンネル結合の機構を明らかにするために, ホイスラー合金Co2MnGe薄膜-MgO界面における磁性を薄膜のMnとCo L2, 3内殻磁気円二色性を、Co2MnGeの腰厚を変え(1ML-10ML)、角度依存モードで測定した。磁気光学総和則を実験結果に適用して、MnとCoのスピンと軌道の磁気モーメントを分離決定した。 ZnをFeに置換したZnOナノ微粒子のXMCD実験を行い, 原子欠陥が重要な役目を果たす強磁性発現機構を明らかにした. Coをドープしたルチル型TiO2の強磁性発現機構を調べるために, Co濃度とキャリアー数を制御した試料について, 温度可変・磁場可変XMCD測定を系統的に行った. 蛍光収量法によるバルク敏感な測定と, 従来の電子収量法による表面敏感な測定結果を比較し, 試料表面に10nm程度の磁気的不活性層が存在することを明らかにした. Zn1-xCrxTeにヨウ素を置換したn型試料における強磁性の強化, 窒素を置換したp型試料における強磁性減衰の機構をミクロに解明するために, XMCD実験を系統的に行った. バルクの磁化測定とコンシステントな結果が得られ, さらに窒素置換でCrの原子価が2価から3価方向にシフトすることがわかった.
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