2010 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線磁気円二色性および軟X線散乱による高スピン偏極材料のキャラクタリゼーション
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤森 淳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10209108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 常晴 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (10150012)
竹田 幸治 独)日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (50399416)
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Keywords | 磁性半導体 / 超構造 / 軟X線磁気円二色性 / 軟X線共鳴散乱 / 光電子分光 |
Research Abstract |
本研究では,作製条件を制御した磁性半導体,ホイスラー合金等の金属系高スピン偏極材料,およびそれらの材料からなる界面の化学組成,局所構造,電子・磁気状態を,軟X線磁気円二色性(XMCD)の測定により元素選択的なキャラクタリゼーションを行う. ○微量のCrをドープすることによってMn間に強磁性的相互作用が働くCd1-x-yCryMnxTeのXMCDを測定した.Mnが2価であることを確かめ,Crの磁気モーメントがMnに平行であることを見出し,Crを媒介とした強磁性発現であることが示された. ○ホイスラー合金Co2MnSi2-MgO磁気トンネル結合の界面における磁性の元素不定比依存性を,XMCD測定により調べた.過剰マンガンによりMnの磁気モーメントが減少する一方,Coの磁気モーメントは変化しなかった. ○試料作製時の酸素分圧でキャリアー濃度を制御した室温強磁性体アナターゼ型CoドープTiO2のXMCDを測定した.伝導性と磁気モーメントの間に相関が見られ,強磁性が本質的にキャリアー誘起型であることを示した. ○希薄磁性半導体Gal-xMnxAsの熱処理前後の二つの試料(x=0.042)についてのXMCD実験結果を解析するとともに,Mn濃度高い試料(x=0.108)のXMCD実験を行った.今後解析を進め,論文執筆を行う. ○SPring-8 BL23SUのXMCD装置について,キッカーマグネットを活用した1Hz連続ヘリシティースイッチングを利用したXMCD測定を開始した.これにより,XMCDシグナルの検出精度がこれまでに比べて一桁向上した.
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