2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048017
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
清水 大雅 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 特任准教授 (50345170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 義昭 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50183885)
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Keywords | スピントロニクス / 強磁性金属 / 光アイソレータ / 光位相変調 / 磁気光学効果 / 光エレクトロニクス |
Research Abstract |
平成19年度(平成19年10月〜平成20年3月)は固体中のスピン流である円偏光の円偏光度の変調や強度変調、円偏光の検出等を目指し、半導体電気光学位相変調器の偏光依存性を利用した電気光学偏光変調器の初期実証、評価系の構築を行った。測定に用いた素子はn型InP基板上に結晶成長されたInGaAlAs量子井戸をコア層にもち、p^+InGaAsコンタクト層/p-InP上部クラッド層をもつP-I-N構造からなる。逆バイアス電圧印加時に量子井戸中の残留キャリア(電子)が引き抜かれる過程でプラズマ効果が生じ、逆バイアス電圧の印加とともに量子井戸の屈折率が増加して電気光学位相変調器として動作する。波長1620nmのTEモード光に対して素子長1mmあたり89deg./Vの位相変調効果が得られている。位相変調効率は従来の量子閉じ込めシュタルク効果を利用した素子よりも大きい。実際にはキャリア効果に量子閉じ込めシュタルク効果による屈折率変化が加わり、位相変調特性でTransverse Electric (TE)モードとTransverse Magnetic (TM)モードで偏光依存性を有する。入射光を基板面内から45°傾いた直線偏光を入射し、逆バイアス電圧を印加することにより、偏光状態の制御・変調が可能になる。本素子に波長1550nm、-45゜の直線偏光を入射し、逆バイアス電圧印加時の偏光状態を測定した。P-I-N接合がほぼフラットバンド状態である+0.5V印加時に-45°の直線偏光が、-1.5V印加時に+45゜の直線偏光に変調された。初期的な測定結果であり、完全な円偏光状態は実現できていないが、+0.5Vから-1.5Vの間で強度変調を伴わずに偏光状態の変調を実証できたことは重要な実験結果である。
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