2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048017
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
清水 大雅 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 特任准教授 (50345170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 義昭 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (50183885)
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Keywords | スピントロニクス / 強磁性金属 / 光アイソレータ / 磁気光学効果 / 光エレクトロニクス |
Research Abstract |
平成21年度は以下の3項目について研究を行った。 1. 半導体光アイソレータのゼロ伝搬損失化を実現した。半導体光アイソレータは強磁性金属がもたらす非相反な伝搬損失を半導体光増幅器導波路上に実現する。TMモード半導体光アイソレータでは活性層に伸張歪活性層を用いている。伸張歪活性層の光学利得の偏光依存性と強磁性金属への光閉じ込め係数の偏光依存性の重要性が明らかになった。-1.6%の伸張歪量子井戸活性層と強磁性金属としてFeを用いることによって半導体光アイソレータのゼロ伝搬損失化を実現した。これらの半導体光アイソレータでは非相反損失伝搬効果によって軸方向に沿って光子密度が分布する。半導体光アイソレータに特長的な光子密度の分布を応用して、非相反双安定半導体レーザの作製を行い、レーザ発振を確認した。 2. 1のTMモード半導体光アイソレータでは、大きな伸張歪活性層が必要であり、結晶成長が容易ではないのが問題点である。問題を解決するためにエバネセント導波路型TEモード半導体光アイソレータを提案している。平成21年度は素子の作製を行い、波長1540nmにおいて7.4dB/mmの光アイソレーションの観測に成功した。エバネセント光アイソレータは利得飽和パワーが大きいため、順方向の利得飽和現象と戻り光がもたらす相互利得変調を受けにくい光アイソレータであることが明らかになった。 3. 領域内の共同研究によって薄膜永久磁石材料であるPrCoB, PrFeBの磁気光学効果の評価を行った。これらの材料の磁気光学スペクトルは単元素の強磁性金属Co,Feとは異なる磁気光学スペクトルであり、特に可視域の短波長側で大きな磁気光学性能指数を示すことが明らかになった。
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