2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048021
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
仲谷 栄伸 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (20207814)
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Keywords | スピン流 / 磁化反転 |
Research Abstract |
本研究では、円盤状のディスク(磁性ドット)内に現れるvortex構造の運動や磁化反転を精度よく再現できるシミュレーションモデルの作成をとおしてスピン電流によるvortex挙動を解明し、また磁気ドットを用いたメモリ提案しその性能評価を行う。平成20年度まではこれらの準備として、主に計算の高速化と電流磁界計算ルーチンを作成しその影響について調べた。 微小な磁性体を用いたデバイスでは磁性体の熱安定性評価が必須である。シミュレーションで熱安定性を評価するためには、スピン電流による磁化反転のシミュレーションを行い、電流と反転時間の関係より安定性を求めることが一般に行われている。しかしながら、反転時間が短い場合、反転時間は熱による効果よりも磁気モーメントのダイナミックな振る舞いによる効果によって決まるために、マイクロ秒以上の長時間にわたる計算が必要となり、莫大な計算時間を必要とする。このため計算に特化したCPU(cell broadband engine)を用いて計算の高速化を試みたところ、10倍以上の高速化を実現でき、熱安定性評価のための計算時間のボトルネックを解消できた。また、スピン電流による磁化操作ではスピントルクだけではなくスピン電流によって発生した電流磁界も磁気モーメントに対して影響を与える。この効果を調べるために、磁性体だけではなく磁性体に電流を与える電極ないでの電流密度分布及びその電流が磁性体に作成する電流磁界を計算するルーチンを作成し、シミュレーションプログラムに組み込み、実験結果と比較をしたところ、シミュレーション結果は実験結果をよく再現しており、電流磁界の効果が重要となる場合もあることを確認した。
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Research Products
(5 results)