2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048021
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
仲谷 栄伸 The University of Electro-Communications, 電気通信学部, 教授 (20207814)
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Keywords | スピン流 / 磁化反転 / シミュレーション / 高速化 / GPU / 計算精度 |
Research Abstract |
近年スピン電流による磁化操作対象として、円盤状のディスク(磁気ドット)内に現れるvortex構造の運動に関する研究報告が行われ始めている。本研究の代表者はこれまでに計算機シミュレーションを用いて、スピン電流によるドット内のvortexコアの螺旋運動や共振運動、さらにvortex coreの反転の研究を行い、これらの現象を用いた新たなデバイスの可能性を示した。しかしながら、シミュレーション結果は実験結果と定性的には一致するが定量的には一致せず、本現象が完全に解明されているとは言いがたい。一つの原因として電流磁界の効果が指摘されている。電流磁界の効果を調べるためには、磁気ドット及び電極内部の電流密度分布を求め、それらが磁気ドット内部に作る電流磁界を計算し、これを考慮したシミュレーションを行う必要がある。しかしながら最新の計算機でも一回のシミュレーションには8ヶ月程度の時間がかかるために、計算時間の高速化が必要となる。GPUを用いることにより高速化を試みたところ、約15倍程度の高速化に成功し、一回のシミュレーション時間も2週間程度まで減少させることができた。しかしながらGPUでは、単精度計算は高速に実行できるが倍精度計算は通常のCPU程度の速度であり、高速化のためには単精度計算を用いる必要がある。通常シミュレーションでは倍精度計算が用いられているために、GPUによるシミュレーションを行う前に、計算精度による計算結果への効果を調べる必要がある。残留磁化状態を求めるシミュレーション、交流磁界によるコアの回転運動及びコアの反転シミュレーションを倍精度及び単精度で行い、それらの結果を比較したところ、両者の結果はほぼ一致し、GPUによる有効性を確認した。
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Research Products
(9 results)