2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048026
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 義茂 Osaka University, 基礎工学研究科, 教授 (50344437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 誠司 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (30397682)
野崎 隆行 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (60452405)
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Keywords | スピン流 / 磁性体ナノ構造 / 高周波特性 / 熱輸送 |
Research Abstract |
(1)これまでのスピントランスファー素子の高周波特性の研究は、1〜15GHz程度の周波数範囲に限定されている。一方、磁性体におけるスピン波の振動数は、垂直磁化膜ではその大きな磁気異方性のために50GHzを超える周波数になると考えられる。また、反強磁性体においては遠赤外線の領域に達することが知られている。そこで、本研究では、垂直磁化膜の強磁性共鳴の測定および交換結合した人工反強磁性膜の磁気共鳴の観察を行った。 (1)垂直磁化膜の強磁性共鳴を測定するために独自に開発したウェーブガイド法を用いることを試みた。具体的には、Au(001)面上にFeのwedge試料を作成し、その上にウェーブガイドを作りつけることにより異方性の変化と共鳴の変化の関係を調べた。その結果、膜厚が5nmから薄くなるに従い強磁性共鳴の周波数が低くなり、膜に垂直磁気異方性が誘起されていることが確認された。また、その線幅も膜厚が小さくなるに従い徐々に大きくなりダンピングが増大していくことが分かった。今回の測定では、0.5nmのFe層からの共鳴ピークまで確認できたがこの膜厚ではまだ磁化は面内に寝ており、垂直磁化膜の共鳴を測定するには至らなかった。 (2)IrMn/CoFe/Ru/CoFeB/MgO/NiFe構造を持つ磁気抵抗素子の熱ノイズの測定を詳細に行った。その結果、CoFe/Ru/CoFeB人工反強磁性層に起因すると考えられる共鳴ピークを観察することに成功した。共鳴周波数は、8.5GHzであり単層(フリー層)の共鳴周波数3.6GHzの2倍以上であった。このことは、反強磁性結合によりより高周波の共鳴を実現できることを示している。 (2)スピン流と熱伝導の関係を調べるために陽極酸化アルミ膜のナノホールを用いてナノワイヤーを作製する前段階として、まず、アルミの陽極酸化を試みた。
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Research Products
(6 results)