2009 Fiscal Year Self-evaluation Report
Research on Spin current driven high frequency and heat devices
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
SUZUKI Yoshishige Osaka University, 基礎工学研究科, 教授 (50344437)
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Project Period (FY) |
2007 – 2010
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Keywords | スピン流 / 磁性体ナノ構造 / 高周波特性 / 熱輸送 / スピントロニクス |
Research Abstract |
2003年に強磁性多層膜への電流注入により自励発振が(S. I. Kiselev, et al.: Nature 425 (2003)380)観測されて以来、強磁性ナノ構造のスピンダイナミクスが興味を集めている。提案者等は、MgOバリヤを用いた高性能トンネル磁気抵抗素子を開発し(Nature Materials, 3 (2004)868)、この素子を用いてスピンダイナミクスの高度な制御 (Nature, 438 (2005)339)、および、これまでの10000倍近い高周波発振出力の実現(ICMFS 2006, Sendaiにて発表)に成功した。しかし、これまでの研究は15GHz以下の周波数に限られていた。一方、反強磁性体ではそのスピン波の周波数が遠赤外域に達することが知られている。そこで、本研究では、反強磁性結合多層膜や反強磁性体などのスピン波とスピン流との結合機構を解明し、スピン流の超高速ダイナミクスの学理を確立するとともに、スピン流ミリ波・THz波デバイスの可能性を明らかにすることを第一の目的とする。 さらに、提案者等は強磁性多層膜からできたナノピラーに電流を流すと冷却作用が生じることを見出した(Jpn. J. of Appl. Phys., 44 (2005)L12-L14)。しかし、スピン流の熱力学はまったく未踏の研究領域である。そこで、この現象へのスピン自由度およびスピン流の寄与を明らかにし、さらに、スピン流による熱の輸送・吸収、熱によるスピン流の発生などスピン流に関する非平衡熱力学の確立につながる知見を得ることを第二の目的とする。
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