2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048028
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
齊藤 英治 Keio University, 理工学部, 講師 (80338251)
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Keywords | スピントロニクス / スピン流 / ナノ磁性体 / 磁性 |
Research Abstract |
スピンポンプによって生じたスピン流がもたらす逆スピンホール電圧の測定を、磁場角度を変えながら系統的に行った。これにLLG方程式とスピンポンピングのモデルを組み合わせた解析を行い、スピンポンプの最適条件を探った。その結果、スピンポンプ効率は磁化歳差運動の軌跡の面積に比例することが実験・理論両面から示された。さらに、スピンポンプ効率と理論モデルの比較を行うため、NiFe合金系列に注目した。NiとFeではフェルミ面の分極の符号が逆であり、NiとFeの混合比を変えることでこの分極(伝導電子にかかる有効磁場)の符号を変えることができる。スピン注入効率の組成依存性を無視する近似を用いてスピンポンプ効率を算出すると、NiとFeの混合比について単調な変化を示さなかった。ところが、このデータをスピン緩和トルクで整理してみると、ポンプ効率とスピン緩和トルクの大きさが正比例していることがわかった。これは、スピンポンプが磁化の緩和に支配された現象であることを示している。一方、ポンプ効率は、フェルミ面の分極が消失する混合比でも大きな信号が観測され、この系において、断熱極限・u桙ナのモデルによる理解が適当でないことを示している。以上により、スピンポンプの効率を大きくするためには、スピン緩和定数と磁化軌道の面積を最大化すれば良い、という基本的な指針が得られた。更に、熱流からスピン圧が生成される新しいスピン流-熱流交差相関物性を白金中の逆スピンホール効果を利用することで発見し(Natureに論文掲載)、その磁場・物質依存性を系統的に調べた。磁場方向依存性、磁場強度依存性ともスピンゼーベック効果の予想と整合した。この振る舞いはを解析する現象論的モデルを本特定領域研究メンバーと合同で構築した。
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[Presentation] スピン流2008
Author(s)
齊藤英治
Organizer
応用物理学会スピントロニクス入門セミナー
Place of Presentation
大阪
Year and Date
2008-12-03
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