2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048029
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
高橋 有紀子 National Institute for Materials Science, 磁性材料センター, 主任研究員 (50421392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝野 和博 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, フェロー (60229151)
大久保 忠勝 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, グループリーダー (00242462)
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Keywords | ハーフメタル / スピン偏極率 / ホイスラー合金 |
Research Abstract |
本研究では強磁性電極の物性と素子構造を詳細に解析し、トンネル型磁気抵抗(TMR),巨大磁気抵抗(GMR)素子で高いMR特性を得るための材料設計指針を提案することを目的とする。具体的には、MR素子用の強磁性電極薄膜のスピン偏極率を点接触アンドレーエフ反射(PCAR)を用いて直接測定し、同時に膜の微細構造観察を行うことにより、高スピン偏極率を示す強磁性電極材料の探索と製膜法を確立することを目的としている。 本年度は、Co基ホイスラー合金に第4元素を添加することにより高いスピン偏極率を示すホイスラー合金の探索を行った。その結果、Co_2Ti_xMn_<1-x>Sn系でx=0.25のときにスピン偏極率が0.65、Co_<2-x>Fe_xCrGa系でx=0.05のときに0.65が得られた。この値はハーフメタルの予想に反して低いものであったが、Co基ホイスラー合金のPCAR法により得られたスピン偏極率の中では最も高いものである。Co_2Ti_xMn_<1-x>Sn系のスピン偏極率の増加は、E_fの制御によるものと考えられる。計算によるとCo_2MnSnのE_fはバンドギャップの右端に存在するが、MnをTiで置換していくとE_fレベルがギャップ中央へシフトする。そのため不規則構造の存在によりバンドギャップ付近に余分な状態ができても、E_fがギャップの中央へシフトしたことにより、その影響を受けにくくなったためと考えられる。Co_<2-x>Fe_xCrGa系のスピン偏極率の増加E_fレベルの↑スピンの状態密度の増加によるものと考えている。 他のグループから提供された膜(磁性半導体の(Ga_<0.95>Mn_<0.05>)_<0.5>As_<0.5>のアトムプローブ解析、ホイスラー合金薄膜のTEM観察、CoFeB/MgO/CoFeBのアトムプローブ解析)の微細構造解析も同時に行っている。
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Research Products
(11 results)