2008 Fiscal Year Annual Research Report
高スピン偏極率材料のナノ構造解析とスピン偏極率測定
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048029
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
高橋 有紀子 National Institute for Materials Science, 磁性材料センター, 主任研究員 (50421392)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宝野 和博 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, フェロー (60229151)
大久保 忠勝 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, グループリーダー (00242462)
|
Keywords | ハーフメタル / スピン偏極率 / ホイスラー合金 |
Research Abstract |
本研究では強磁性電極の物性と素子構造を詳細に解析し、トンネル型磁気抵抗(TMR), 巨大磁気抵抗(GMR)素子で高いMR特性を得るための材料設計指針を提案することを目的とする。具体的には、(1)MR素子の微細構造解析による特性発現のメカニズムの解明する、(2)MR素子用の強磁性電極薄膜のスピン偏極率を点接触アンドレーエフ反射(PCAR)を用いて直接測定し、同時に膜の微細構造観察を行うことにより、高スピン偏極率を示す強磁性電極材料の探索と製膜法を確立することを目的としている。 本年度は、低温でのハーフメタル性が証明されているCo_2MnSi(CMS)を用いたMR素子の微細構造解析を行った。CMS/MgO/CMSのTMR素子をHAADF観察した結果、L2_1構造の直接観察に成功し、規則度とTMR比に強い相関があることが明らかとなった。また、高いGMR比を報告しているCMS/CuまたはAg/CMSのCPP-GMR阻止の微細構造解析を行った。スペーサーにCuを用いた場合は多く欠陥が含まれている一方、Agスペーサーでは欠陥が少ないことが明らかとなった。また、昨年度に続きCo基ホイスラー合金に第4元素を添加することにより高いスピン偏極率を示すホイスラー合金の探索を行った。その結果、Co_2MnGa_<0.5>Sn_<0.5>合金でホイスラー合金中最も高い0.72というスピン偏極率を得た。これは、Co_2MnSnのSnをGaで置換することにより、E_fレベルが↑スピンの状態の大きな位置に移動したためと考えられる。
|
Research Products
(33 results)