2009 Fiscal Year Annual Research Report
高スピン偏極率材料のナノ構造解析とスピン偏極率測定
Project Area | Creation and control of spin current |
Project/Area Number |
19048029
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
高橋 有紀子 National Institute for Materials Science, 磁性材料センター, 主任研究員 (50421392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古林 孝夫 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, 主席研究員 (80354348)
宝野 和博 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, フェロー (60229151)
大久保 忠勝 独立行政法人物質・材料研究機構, 磁性材料センター, グループリーダー (00242462)
A Rajanikanth 独立行政法人物質・材料研究機構, 若手国際研究センター, 研究員 (40515590)
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Keywords | ハーフメタル / スピン偏極率 / ホイスラー合金 |
Research Abstract |
本研究では強磁性電極の物性と素子構造を詳細に解析し、トンネル型磁気抵抗(TMR),巨大磁気抵抗(GMR)素子で高いMR特性を得るための材料設計指針を提案することを目的とする。具体的には、(1)MR素子の微細構造解析による特性発現のメカニズムの解明する、(2)MR素子用の強磁性電極薄膜のスピン偏極率を点接触アンドレーエフ反射(PCAR)を用いて直接測定し、同時に膜の微細構造観察を行うことにより、高スピン偏極率を示す強磁性電極材料の探索と製膜法を確立することを目的としている。 本年度は600%以上のTMR比が実現しているCoFeB/MgO/CoFeB-強磁性トンネル接合のキャップの効果についてTEMによる微細構造観察を行った。TaキャップしたMTJが500℃で最大600%のTMR比を示すのは、熱処理によりCoFeBがCoFeに結晶化するときにBが吐き出されコヒーレントトンネルが可能なMgOとCoFeとの整合界面が実現しているためということが明らかになった。一方で、PdキャップをしたMTJは300℃で160%のTMR比を示したのちに減少する。これは、上部CoFe層が(001)配向から(110)、(111)配向に変化することと上部CoFeB層とPd層の相互拡散によって(Co,Fe)-Pdが形成されることに起因することが明らかになった。 Co_2FeAlSi/Ag/Co_2FeAlSiの膜構造を持つCPP-GMR素子を作製し、バルク散乱非対称性係数(β)の評価を行った。室温で34%、14Kで80%のGMR比を得たほか、βは14Kで0.77、室温で0.70であり、室温でのCo_2FeAlSiのスピン拡散長は14Kで約3nmであることが明らかとなった。
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Research Products
(30 results)