2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属ナノ構造を用いた光局在場の創製と光化学反応への応用
Project Area | Strong Photons-Molecules Coupling Fields for Chemical Reactions |
Project/Area Number |
19049001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三澤 弘明 Hokkaido University, 電子科学研究所, 教授 (30253230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JUODKAZIS Saulius 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授 (80332823)
上野 貢生 北海道大学, 電子科学研究所, 助教 (00431346)
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Keywords | 局在プラズモン / ナノギャップ / 電場増強 / 光重合反応 / 多光子吸収 |
Research Abstract |
本年度は、ナノメートルの構造間距離を有するナノギャップ金構造、および金ナノブロック構造を用いて、微弱光による多光子光重合反応の実現や局所ナノ空間選択的励起を行うことが可能であることを多光子光重合反応により実験的に明らかにすることに成功した。特筆すべき点は、ナノメートルのギャップ領域において、多光子吸収過程を介した非線形光重合反応を定常光源で実現することが可能であることを明らかにした点である。このナノギャップ領域で誘起された光化学反応は、増強された強い近接場光(|E|^2=〜10^5)が、反応開始剤の2光子励起を誘起し、光重合反応の進行が促進された事に基づくと考えられる。また、ナノギャップ空間のみに反応が進行したということは、同時に、金属ナノ構造は強い電場増強効果を示すだけでなく、光の局在から選択的ナノ空間励起を可能とする特徴を有していることが明らかになった。そこで、直方体型のナノブロック構造を作製して、光重合剤を構造基板上にスピンコートし、構造にフェムト秒レーザービームを照射して、現像後電子顕微鏡観察を行ったところ、ナノブロック構造の電場強度の高い部位において、空間選択的に光重合反応の進行が観察された。これは、時間領域差分法(FDTD法)による電場強度分布シミュレーションによると、プラズモンの高次の共鳴モードに由来していることがわかり、プラズモンの共鳴モードを利用することにより、ナノメートルの空間に光化学反応を選択的に誘起することが可能であることを明らかにした。
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